新潟県中小企業家同友会
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2023年7月号

新潟県中小企業家同友会
広報誌 DO YOU KNOW?にいがた 7月号 Vol.424

2023年7月号

新潟県中小企業家同友会
広報誌 DO YOU KNOW?にいがた 7月号 Vol.424

■表紙
コロナで売り上げゼロ
「絶対に2社で生き残る」
【株式会社はるかぜツアー 代表取締役】 鹿島 隆一 氏 新潟支部ウエスト地区

■Contents
◇PEOPLE LIFE data No.037
未来を創る! 新潟の企業家たち

経営指針での気づき
「自分は社員の事をわかっていなかった」
鹿島 隆一さん 株式会社はるかぜツアー 代表取締役

◇委員会・部会活動報告
それぞれのテーマを専門的に学び、問題を解決!

増強委員会/政策委員会/ソーシャルビジネス部会/経営労働委員会

◇新入会員紹介

◇私とお話しませんか?会員交流の館 vol.1

◇ANOTHER REPORT
例会や行事の報告など、
情報共有の場としてフリーテーマで同友会の情報を発信します。

第9回関東甲信越青年経営者フォーラムin東京 開催レポート

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  • ANOTHER REPORT

 

自動車整備士から経営者へ

北陸道巻潟東インターの料金所を抜け交差点をまっすぐに進むと高い鉄塔のところに、鹿島 隆一氏が代表取締役を務める(株)はるかぜツアーはあります。ツアーバスの運行を中心に、学校の部活動の送迎、結婚式の送迎や社員研修など様々なバス運行目的業務を行っている「一般貸し切り旅客運送事業」です。
鹿島氏は元々、大手自動車会社に整備士として入社。自動車好きと負けず嫌いで、様々な自動車整備や修理の仕事に携わっていきました。しかし、仕事好きが高じて、腰を悪くすることに。10年で現場を降り会社を退職、鹿島氏の父が代表を務める(株)トラベルマスターズが「自社のバスでツアーを運行したい」と2013年に設立した(株)はるかぜツアーに入社することとなりました。

 

 

 

突如訪れたコロナ禍

はるかぜツアーは親会社である(株)トラベルマスターズからのツアーのバス運行業務を委託されることで、事業はスタートを切りました。はじめは社員のほとんどが年上という状況でのスタートで苦労もありましたが、自身がバスツアーの運転ができることの方が楽しく、気持ちが勝っていました。
その頃、関越道事故やトラックが崖から落ちて運転手がなくなるなどの事故があり、2016年には評価試験を受け毎年更新をする制度に変わりました。この資格制度を勉強し自動車学校に通い受験をして、と自分のステージを上げていく大切な時期となりました。会社は好調で、2019年には最高の成績を上げることができました。
ところが2020年に新型コロナウイルスが発生し、あっという間に緊急事態宣言が発令。2020年の3月には売上がゼロになりました。資金繰り表などもわからず、どのように乗り切るべきか人に聞きながら「経営者じゃない」と言われて落ち込みました。そんな中で紹介者の石橋正利さん((株)総合教育研究所 取締役会長)と出会いました。

 

中小企業を支えているのは人

石橋さんから指導を受ける中で中小企業家同友会を紹介され、同友会に入会しすぐに経営指針成文化と実践の会を受講しました。そのおかげか、同友会に入会してまだ1年ですが、周りからは「大人になった」と言われます。
そして第6期経営指針成文化と実践の会を受講し「自分は社員のことを分かっていなかった」ことに気が付きました。コロナ禍の厳しい環境で経営を少しずつ勉強し、指針の会に参加して、社員や仲間など、人にめぐり逢えたことの大切さを改めて感じることができました。その気づきで、会社に対しての想いを伝えていけるようになりました。
ドライバーを含め外に出て話したり、社員とのコミュニケーションをどんどん取れるようにもなりました。
これからは2025年問題もあり、自分たちも旅行会社も変わっていくと考えています。はるかぜツアーは、様々な変化に対応しながら、(株)トラベルマスターズと共に、「絶対に2社で生き残る」という想いで、相手や会社、そして社会、そして地域を理解しながら、さらに見直していく時間も持ちながら事業を進めていきます。

 

株式会社はるかぜツアー
代表取締役 : 鹿島 隆一 氏(新潟支部ウエスト地区)
事業内容 : 一般貸切旅客運送事業
住所 : 新潟市西蒲区漆山8200
設立 : 2013年
従業員数 : 10名
TEL : 0256-77-8139
HP : http://harukaze-bus.co.jp/

かねてより設立準備を進めてまいりました増強委員会が、この度2023年度よりメンバー23名で発足しました。増強委員会が設立できたのも、新潟同友会皆様のお陰です。心より感謝申し上げます。
我々増強委員会では、「世界を見据え、地域に生きる」を理念に掲げ、増強や同友会に対する想いが一際熱い、新潟支部の本間英樹さんを委員長に迎えております。「新潟に、いい会社が増えている・いい経営者が増えている・いい経営環境になっている」を目指し、活動していきます。
月一回の、ミーティングとメンバー同士互いを良く知る目的での企業訪問を行い、委員会内での絆も深めています。それと同時に各支部の支部長と各支部から選出されたメンバーとの連携も重要と考えています。
もう一つ、明確な数値目標も掲げ、それに向かって新潟全域を巻き込みながら、新潟同友会に増強の風土を築いていきます。活動をしていく中で大切にしていることは、とにかく我々がとことん「楽しむ!」です。
そんな増強委員会は、毎月各支部に出向きミーティングを重ねています。良くわからないけど委員会内を見てみたい、いろんな人と交流したい、何でもいいから楽しいことをやってみたい、という方是非当委員会に遊びに来てください!
一緒に良き輪を広げていきましょう!

増強委員会 副委員長 柴澤仁子

 

「良い会社」、「良い経営者」、「良い経営環境」を目指す。同友会の3つの目的のひとつ「よい経営環境を目指す」という点を主に担っているのが政策委員会です。会員のみなさんが「良い会社」、「良い経営者」になっても、「良い経営環境」がなければ、その実力を存分に発揮して成果を上げることは簡単なことではありません。
私たち政策委員会では、会員企業にとって外部要因となる「経営環境」をよくする為に、会内の景況調査をしたり、行政や他団体等の外部への働きかけをしたり、法令に対応するためのセミナーや勉強会を行っています。
中小企業を取り巻く経済環境は年々厳しさを増し、経営課題は多岐にわたります。物価上昇・賃上げ・価格転嫁、コロナ融資の返済開始、インボイス制度や電子帳簿保存法などキリがありません。私たち経営者は、日々起こる経営課題に対して、自力で対処するのがほとんどかと思います。しかし、どうしても自力で解決できない課題もあります。こういった一人ではどうにもできない問題に対して、力を合わせ変えていくのが政策委員会です。
この想いと一連の活動はきっと経営課題に欠かすことのできない時流を読む洞察力を養います。同友会運動の原点とも言える政策委員会を一緒にやりましょう。みなさんのご参加をお待ちしています。

政策委員会 委員長 塚原裕康

 

『福祉』―公的な配慮・サービスによって社会の成員が等しく受けることのできる充足や安心。幸福な生活環境を公的扶助よって作り出そうとすること。(デジタル大辞泉より)
障害福祉事業を運営しながら、拭いきれない違和感があります。30年以上、障害のある方たちと共に働いてきたことは、決して福祉的なものではありませんでした。むしろ逆です。障害のある方やひきこもり、主婦の方々に支えられて、地域で30年以上会社を経営してきました。人口減少に伴う労働力の減少は顕著な社会課題である一方で、福祉就労で働く障害者の低賃金も何十年も変わらない大きな問題です。
このように地域や業界には様々な課題があり、これらの解決策を行政やボランティアに求めるだけでは課題感が届かなかったり、持続可能でなかったりします。そんな中で、我々中小企業家が地域や業界の課題にビジネスとして取り組み、売上を上げながらその課題を解決させることは、地域や日本をより良くする上で必須だと感じています。部会名の変更はその決意表明のようなものです。まずは7月25日、オープン例会でもっと踏み込んだ具体的な話や、経営者なら心が踊らないわけがない先々のビジョンをお話したいと思います。これからどうぞ宜しくお願いいたします。

ソーシャルビジネス部会 部会長 小林俊介

 

「経営者である以上、いかに環境がきびしくとも、時代の変化に対応して、経営を維持し発展させる責任があります。(中略)そのためには、われわれ経営者は資金計画、利益計画など長期的にも英知を結集して経営を計画し、経営全般について明確な指針をつくることがなによりも大切です。(人を生かす経営~中小企業における労使関係の見解~1経営者の責任より抜粋)」
みなさんの会社では経営指針書や経営計画書はありますか?前述のように同友会は指針の実践をとても大切にしています。そして経営労働委員会では、多様な事業規模や業種の会員さんが集まり、日頃から指針の実践をテーマに活動しています。
変化の激しい昨今、大事なのは「良い指針書」というより「まずは指針書をつくること」だと感じています。経営労働委員会メンバーは皆さんの指針書作成サポーターです、まずはとにかくつくりましょう!そのあとは委員会や日頃の例会で得たヒントを基に、自社に合わせた指針書になるよう一緒に毎年ブラッシュアップしていきましょう。委員会でお待ちしています。

経営労働委員会 委員長 諸橋晋太郎

品田:実は、武井さんが入会した直後の例会で自己紹介の時に独立をされたばかりで、「色んな人と出会いたい」とおっしゃったのをすごく印象的に覚えていて、この企画の事を聞いて武井さんと話がしたいと思いました。2022年度から新潟支部セントラル地区の幹事として、例会設営、グループ長と主体的に参加される機会が増えていると思いますが、感じていることとかあれば教えてください。

武井さん:お話の通り人脈を作りたいという想いで入会しました。「人脈」の意図は、仕事(売上)に直結する繋がりということです。答えとして、仕事があったかと言えば結びついてはないんですが、新潟支部の例会や懇親会、なじランチに出ていると「不動産の事なら武井さんだよね」と言ってくれる人が増えてきました。私の仕事はすぐに仕事が来るような業種じゃないのはわかっているので、そう言っていただけるのは嬉しいなと思って、私の目的は大分達成出来ていると思えています(笑)。あと同友会に関わるようになって、私の心境にも多少変化が出てきたと感じています。独立前、中間管理職をやっていた時、「人間関係って嫌だな」と思っていました。独立をして、1人で仕事をしていて、これらかも1人でやっていくと思っていたんですけど、同友会に参加されている皆さんが社員の事について熱心に話をされているのを聴いて、「社員さんがいるというのもありなのかもしれない」と思うようになりました。

品田:例会づくりも何回か参加してみていかがですか?

武井さん:普通に例会へ出ているよりも、すごく面白くなりますよね。例会当日までの打ち合わせや準備で、経緯というか前段を知っていた方が、楽しく面白く臨めますよね。関わっていた方がいいじゃんって普通に思っていました。

品田:武井さんのグループ長が良かったという話を聞いたのですが、事前の関わりがあったから良かったのでしょうか?

武井さん:確かにそうだと思います。議論しながら話していた時に、「私も例会づくりに参加した時、こういう意見も出たんですけど」と言えたのが、そのグループ討論の中で厚みが増したんだろうなって。例会づくりを経験した人がグループ長をやった方がいいんじゃないかなと思います。

品田:「人脈をつくりたい」ということでご入会されましたが、「人脈づくり」で大切にしていることはありますか?

武井さん:やっぱり相手に一生懸命なところを伝えて、自分のファンになってもらおうとしています。仕事の部分でもいいですよ。ただ仕事だけでは面白くないから、色んな考えを相手に情熱的に話をするんですよね。すると相手は、ファンになってくれるんじゃないかなと、もうその時には、「何か不動産があったら教えて」と営業しなくたって、不動産が出たら、武井さんへ連絡してくれるっていう。私のファンであってくれてると思います。そういうところを大切にしています。

(株)シナゼン 代表取締役 品田敦司(新潟支部セントラル地区広報情報化委員長) 記

 

1都9県の経営者集結!
中小企業としての生み出すべき価値とは

第9回関東甲信越青年経営者フォーラムin東京は、飯尾彰悟実行委員長(㈱イキカタ 代表取締役 東京同友会)が掲げた「楽しくなきゃ学びじゃねぇ!」をスローガンに開催されました。
開始前のメタバースによる交流会や、PRマルシェによる商品紹介、懇親会のゲーム大会、二次会の開催等今までにない企画が盛り込まれておりワクワクさせられ、当日はアニメーションのキャラクターが進行をするなど、スローガンらしい「楽しさ」が表現されていました。
報告は、山貝誠氏(㈲能登新 代表取締役社長 新潟)と岩崎貴裕氏(㈲オートトレーディングロック 代表取締役 神奈川)のパネリスト2名、山崎将臣氏(㈲山崎製作所 代表取締役 群馬)と大垣広太氏(㈱KSP 取締役 東京)のファシリテーター2名で構成され、「常識にとらわれず、新しいことに挑戦する価値とは?」という題目から始まり、創業者で海外へ事業展開している岩崎氏と、245年続く老舗料亭を継ぎ地元の地域で事業を展開している山貝氏の対照的な二人によるディスカッションが行われました。
テーマや質問について台本なしの展開から、聴いている側も緊張感と臨場感を感じ、参加者は話にどんどん引き込まれていきました。そのディスカッションの中で違う背景と常識を持った両者が語る内容に違いはあれど、どちらも物事の本質をとらえる事が大切なのだと思いました。そして、最後に山貝氏が岩崎氏との出逢いを振り返り、海外への展開も視野に入ったと語り、様々な価値を持った人としっかりと向き合い認め合う事で、お互いに新たな価値に気づき自分自身が磨かれるのだと改めて感じました。
グループ討論テーマは「会社経営を固定観念にとらわれていないか?今後の中小企業(経営者)として生み出すべき価値とは何か?」。私のグループでは、大企業ができない事(地元との協力、小回りの利くサービス、若い人材が主体的に活躍できる人事評価制度)が重要な価値であるということ。経営者自身が固定概念を捨てて社員がやりたいと言った事を受け止め、一緒に展示会やイベントに行き調べることで、様々な情報や人と繋がり新たな価値を見出すことができたという実践報告もありました。そして、それらについて深掘りしていくと、中小企業として地域に根付き、地域の人々や企業と協力し合いお互いの強みを生かしながら、固定概念を捨てて自分達が持っている価値を見出し、発信していくことが「中小企業としての生み出すべき価値」だという結論に至りました。
最後に、今回のフォーラムを通して例会の方法について考えさせられる機会となりました。同友会の長い歴史の中で研ぎ澄まされた現在の素晴らしい例会方式だけでなく、他の方式による新しい例会を考えるような布石になるのではないかと感じています。
そして、微力ではありますが関東甲信越フォーラムの設営やグループ長を初めて経験させていただき、非常に貴重で学びの多い時間をかけがえのない仲間と過ごすことができ、幸せに思っています。

(株)プラスワイズ 国内事業部 部長 浅川賢也(三条支部) 記

     

入会案内・お問い合わせ

中小企業の経営者及びこれに準ずる方で、会の趣旨に賛同される方は、どなたでもご入会いただけます。
また、会員企業の社員の方や会員でない方も参加できる行事があります。

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