新潟県中小企業家同友会
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2025年12月号

新潟県中小企業家同友会
広報誌 DO YOU KNOW?にいがた 12月号 Vol.451

2025年12月号

新潟県中小企業家同友会
広報誌 DO YOU KNOW?にいがた 12月号 Vol.451

■表紙
佐渡と生きる旅館へ
負けられない決意
【株式会社志い屋 代表取締役】
岡本 美絵 氏 佐渡支部

■Contents
◇PEOPLE LIFE data No.064
未来を創る! 新潟の企業家たち

ピンチをチャンスにして乗り越え、
次の道を作る
岡本 美絵さん 株式会社志い屋 代表取締役

◇支部・委員会・部会活動報告
それぞれのテーマを専門的に学び、問題を解決!

村上支部/新発田支部/経営労働委員会/増強委員会

◇新入会員紹介

◇私とお話しませんか?会員交流の館 vol.27

◇ANOTHER REPORT
例会や行事の報告など、
情報共有の場としてフリーテーマで同友会の情報を発信します。

【第23回障害者問題全国交流会in青森】開催レポート

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  • PEOPLE LIFE data
  • 委員会・部会活動
  • 新入会員紹介
  • 会員交流の館
  • ANOTHER REPORT

 

ホテル志い屋と家業への入社

志い屋は、江戸時代末期から佐渡市で旅館を営んでいます。創業当初の帳簿は、火災により焼失してしまっていますが、私は6代目にあたります。表に出るのが得意だった姉とは逆に、私は幼少のころから体が弱く、そろばんが好きで家の中でお手伝いをしていることが多い子どもでした。高校卒業後に佐渡を出て短大を卒業。数社を経験後に東京の会計事務所に就職。8年が経ち結婚し夫の実家の埼玉で暮らそうと話がまとまるギリギリのことでした。両親から「自分たちの代で会社を締めようと思っていたが、どうすべきか二人で考えてみなさい」と言われたのです。その話を聞いて思い浮かんだのは、母の頑張りや苦労でした。「嫁いできた母があんなに頑張って志い屋を繋いできたのに、娘の私がこの志い屋の灯りを消すわけにはいかない」と思い、佐渡に戻ることを決意し、2005年に入社しました。

 

落ち込む観光業と代表交代

佐渡の観光業のピークは1991年。年間120万人が訪れ、両津地区には12軒の観光旅館がありました。私が入社した頃には観光客も減少、団体旅行などの価格競争も激しく、旅行業者から団体客の予約を頂いても料理の質を落とさざるを得ない状況。宿泊で利益が出なくても、お土産で利益を出している状態でした。
しかし、宿泊業が旅館の中でお土産の利益を出してしまうと、周りのお土産屋さんの売上は下がってしまいます。「自分たちは宿泊業で売り上げを出せるようにならなければ。このままじゃいけない。」と思い、料理の質を上げ徐々に単価を上げていくことにしました。
会社としても、もっと色々なことをしたいと思いましたが、代表の父に私の想いを言うと「お前が社長になってからやれ」のひと言で何も出来ずにおりました。確かに入社後、私は若女将として接客ばかりで会社の数字は全て父に任せきりでした。2018年に父が膵臓癌と診断され、一か月半後に亡くなりました。亡くなる直前、旅館業は代表がなくなってからでは変更が大変だからと代表を交代。ほとんど引継ぎもできず、ショックもあり泣きながらでしたが、まずは自分ができることを取り組んでまいりました。

 

 

重なる苦難と転機

これからを考えていた頃、“ゲストハウスじんく”として物件を購入。2020年3月のオープンに向け工事をしていた19年12月に、私に乳がんが見つかりました。発覚後すぐに全摘出の手術を受けましたが、1年半の抗がん剤治療が始まります。そこにやってきたコロナ禍。事業としては大きなダメージがありましたが、私個人としては、コロナ禍でできることが限られた分、ゆっくりと療養することができたように思います。
幸い、サービス業の中でも宿泊業は助成金等が多くあり、長期化する状況の中で融資を受けることにしました。そして、コロナ禍で営業がストップしているからこそ予約状況も考えず改修工事が出来ると思い、色々な補助金を活用しながら改修工事を進めてまいりました。コロナ禍も明け、徐々に客足も戻り始め、黒字営業に戻していくことができ、自分でも経営の面白さを実感してきていた矢先の2024年1月に能登半島地震が起きました。
旅館は地盤沈下の影響で営業を停止。「これまでやってきた全てがダメになってしまった」とショックで堪りませんでした。ただ、娘たちの未来や、“自分がやるしかない”という想い、そしてTVに映った能登の女将さんがヘルメットをかぶりながら必死に何とかしようとする想いを聞き、“負けちゃいけない”と思うことができました。そして、何よりも同友会をはじめ様々な会でご一緒させて頂いている経営者の方々にお力添え、励ましの声をいただき、素早くこのような決断が出来たと思っております。
暫くして、33部屋あった客室の内14部屋の宿泊を再開しました。幸い、客足もあり想定よりも売上はありましたが、大きな返済を考えると、今のままでいることはできず、震災の補助金も利用してホテル志い屋を建て直すことにしました。

 

佐渡と志い屋 私たちの展望

現在はじんくの経営と、旅館にいたスタッフと共に両津港近くの飲食店街に和風居酒屋を12月1日にオープンいたします。ホテル志い屋は令和9年春に開業を予定しておりましたが、大規模な工事で行政も関わるため、実際はまだわからない状態です。
私の想いは、志い屋が地域循環の一部になることです。観光のお客様だけでなく、地域の方々に愛され認めていただけるような旅館を目指して参りたいと思います。

 

株式会社志い屋
代表取締役 : 岡本 美絵 氏(佐渡支部)
事業内容 : 旅館業
住所 : 佐渡市加茂歌代4916-7
TEL : 0259-23-2127
創業 : 江戸時代末期
従業員数 : 28名

村上支部理念「圧倒的ふるさと再興」を掲げさせていただき、テーマごとの例会を4つの委員会の委員長を中心に4月から10月まで、7人の報告者と、延べ参加者308人、ゲスト参加者71人の参加をいただき開催させていただきました。ZOOM併用のハイブリット例会にして、参加しやすい例会環境にできたのもメンバーの皆様の尽力のおかげです。感謝感謝です!
また、支部内での自社の課題の共有の場として、毎月一回支部幹事会開催時に近況報告と共に共有時間をとっております。自社の悩みや、課題を打ち明けられるのも同友会の良い所だと思います。
今後の村上支部例会は、下越ブロック(新発田・下越南・村上)を中心に11月は県フォーラム(五泉会場開催)、12月は経営労働委員会・青年部会との合同例会、1月は経営者交流会賀詞交換会を予定しております。新潟県最北の地である村上にて深く温かい学びの時間を共有しましょう!お待ちしています(^^♪

村上支部長 山貝 誠(㈲料亭 能登新 代表取締役社長) 記

 

新発田支部では、NDGS:4『住みよい地域をつくる』活動の一環として、10月23日(木)、新発田市議会議員懇談会を開催し、大盛況となりました。特定非営利活動法人新発田市手をつなぐ育成会理事長・籠島由美子氏が登壇。「誰もがいのち輝く、住みやすい街のカタチ」と題し、障がいのある子を持つ親としての経験から、2012年に福祉事業所を設立するに至った歩みを報告されました。
総勢39名、湯浅議長含む13名の議員とゲスト5名が参加し、「合理的配慮」をテーマに会派を超えたグループ討論を実施。同友会らしいテーブルセッション形式や専門性の高い情報提供は、議員の皆様に「新鮮」と大変好評を博しました。
本懇談会は、同友会の認知度向上、課題共有、そして新発田市のまちづくり理念「共創」における「共生」の議論深化が目的でした。今後は市の職員も交え、課題解決・事業化に繋がる企画へと発展させていく予定です。
ご協力いただいた皆様に心より感謝申し上げます。

新発田支部長 新井田 慎(㈱新井田塗装店 代表取締役) 記

 

経営労働委員会では、主に今期は第9期となる経営指針成文化と実践の会の運営、経営指針書を成文化した後の実践に向けた活動や、他の委員会、⽀部と連携しています。経営指針書の成⽂化を半年かけてつくり上げていくこの会に、今期は16名が受講をいただいてます。月に⼀度、サポーターと呼ばれる先輩受講⽣が4グループに分かれて、1グループ4名の受講⽣に対してセッションを⾏い、経営指針書をつくるサポートをしています。経営者自身が何をしたいのか、何の為に経営しているのか、会社はどこに向かうのかなど毎講、各グループで深いセッションがなされています。
12月には、経営労働委員会、⻘年部会、村上⽀部の合同での「ロマンとそろばん経営」という例会が予定されています。報告者の決算書をベースに経営計画の⽴て⽅や視点などをお話しいただき、⾃社の向かう先(ロマン)を話してもらうそんな例会です。受講中の⽅々はもちろん、様々な方にも沢⼭の気付きのある例会となるように準備を進めています。報告者には、経営労働副委員⻑の藤島俊祐⽒、⻘年部会⻑の猪⼜隆⼀⽒を迎えパネルディスカッションでの報告を予定してます。⻘年経営者2⼈の視点や夢をぜひ12⽉11⽇の例会で聞いていただき、⾃社経営のヒントを持ち帰ってください。毎⽉の委員会では、指針の設営準備、各講の反省点、改善点の共有をしながら⾃社の現状を話し、委員のメンバーでのセッションを⾏っています。委員会内で経営を学べる場があるのは、⾮常に有難いと思っています。

経営労働委員会 副委員長 村田 泰洋(㈲伊藤自動車工場 代表取締役 村上支部) 記

 

皆さん新潟同友会の今期会員目標をご存知でしょうか?600名を掲げています。現在は、550名弱。残り約4か月。この状況を皆さんどう捉えますか?
私はまだまだ600名いけると信じています。経営者が計画達成諦めたら会社は終わりますからね。
そんな中、3月24日に開催する経営者交流会は増強委員会が設営します。開催規模は200名。そのうちゲスト動員70名を目指します。70名(笑)。報告者は奈良同友会の株式会社イベント21中野愛一郎さん。会歴の長い方は報告を聞いたことがあるかもしれませんが、数年前より更にパワーアップしています!経営理念は「you happy we happy」。世界を放浪していた前職旅人の26歳が突然継承した倒産寸前のイベント会社。18年後の今、新型コロナ禍の大打撃を喰らいながらも売上20億まで成長させ、「働きがいのある会社ランキング:Great Place To Work」で全国1位、アジアランキングTOP30に選ばれるまでの企業に成長しています。
中野社長は、いったい何をしたのか?中野社長は、他の人と何が違うのか?どんな会社にもチャンスはある!地域を照らし、世界を鼓舞する存在になれる!
ビジネス本を100冊読むより、この男の実践報告を1回真剣に聞いてください。明日からあなたの経営は変わります。
年度末ラスト!最後、力を貸してください!次年度に繋がるBIG交流会で600名達成させましょう!!

増強委員長 本間 英樹(有希化学㈱ 代表取締役 新潟支部サウス地区) 記

金井:私が経営指針成文化と実践の会を受講してから3年目になり会社の改善は色々とできてきたのに、自分自身がどうしていきたいのか?と思うようになりました。塚原さんは初めてお会いした頃と、指針の際で印象が変わっていて、職人としてばりばりやっていた時代からどこをきっかけに現場を任せて経営者として専念できるようになったのか教えてください。

塚原:金井さんがそう言うのだったらそうなのかもね(笑)。私も金井さんと出逢った時は仕事の内容が今とは違っていて、ちょうど自分自身も変わらなきゃと思っていた時期でもありました。当時金井さんが職人でいたい自分と経営者としてのビジョンの中で悩んでいた話を聴いて、職人でいたかった私が無くしてしまったものを大事にされている金井さんが凄くかっこいいなぁと思いました。けど今の自分が間違いだったとは思ってはいなくて、今はどんどんやりたい事が増えてきていていく中で57歳になって、今思っている事を全部はやりきれないと思い始めてきている。今は『やらない事を決める』事を意識してきています。

金井:その考えは何歳頃から思い始めていたのですか?

塚原:うまく答えられないかもしれないけど『こうしようと思ってこうなったのではなく、やってきたらこうなってきた』感じです(笑)。また34歳で社長になって、10年以上は売り上げも変わらず下請け中心の会社だったので、価格決定権や工期の問題、またお客様と直接提案等のお話ができない事もあり苦しい時期が続き、下請け9割だった事業が10年間かけて現在は元請け9割になりました。また「遮熱工事をしよう」と腹を決めて事業化していく中で、職人の頃では回すことができないレベルの仕事量になり、自分では出来ないから必要に迫られて、社員さんに仕事を任せるようになりました。逆に、「社員さんが一人前になって右腕になったら仕事を任せよう」と思っていた10年間にはそんなタイミングはありませんでした。だから物事は“先に動いてやる事”が大切だと思いました。

金井:その気持ち凄くわかります!やっぱり“先に”が大切なんですね!

塚原:でも最近は新しく入社したパート社員さんに怒られているんだよね…「新規事業に対するスピードが速すぎる、準備をしてからやったらどうですか?」と言われています(笑)。私は経営者の仕事って従来の事業を回す事ではなく『ダイナミックに物事を変えていく事』だと思います。また『タイミングが凄く大事』だと思います。

金井:凄く勉強になりました!今めちゃめちゃ自分に言われたい事でした!また指針受講で初めて経営者としての考え方を意識し、受講後は2店舗目を出しました。しかし、社員さんの独立等を経て、社員の成長(独立)という良い面もありつつ、私自身としては堂々巡りをしてスタートラインに戻っている様な感じがしていて、でも塚原さんは色んな意味で変わってきていて早いなぁって思っていました。

塚原:金井さんの気持ち、凄くわかります。私も同じで、苦しい時期だった堂々巡りの10年間があったから今があるんだよね。例えば、独立したい人が集まる“シェア美容室”“金井養成所”を作るのはどうかな?独立したい人達は最初は設備を整えるのに時間がかかると思うし、メリットとしては色々な情報が入ってくると思う。

金井:いいですねそうですね!結局、私はハサミ1本で食べて行ける子達をただただ育てていきたいだけなんですよね(笑)。みんなが1カ所で集まる感じは好きなんですよね。何年たっても行きつく先はここなんですよね。こういう風に各所でみんなが活躍しているのは理想的だと思います。本日はありがとうございました!

塚原:こちらこそありがとうございました。

 

 

10月9日(木)・10日(金)、中同協行事 第23回障害者問題全国交流会in青森「共に生きるみらいへ~青い森から手を携え、新しい世界へ踏み出そう~」
がホテル青森にて開催されました。全国から559名が参加し、新潟同友会からは5名が参加しました。そのうち3名の感想を紹介します。

㈱With You 代表取締役社長 小林 俊介 氏(ソーシャルビジネス部会長 柏崎支部)
新潟から5名で参加した障全交。往路は澤口さんと二人きりで9時間のドライブ。就労支援への思いや新規事業の構想、互いの事業の壁打ちやプライベートな話まで。それだけでも価値のある時間を過ごし、暖機運転はバッチリの状態でいざ本番へ。559名の参加ということで肌寒い青森も会場内は熱気でムンムンでした。全体を通しての学びは『障害者を取り巻く労働環境は今まさに大きな転換期を迎えているということと、そこで鍵を握るのが我々中小企業家だということ』です。福祉における報酬改定の影響や一般企業における法定雇用率の上昇など。様々な問題はあれど、我々の意思決定や行動一つで良い方向に持っていけると実感しました。復路は小竹さんと二人きりでのドライブ。一生忘れられないハプニングも起き、最後の締めまで濃厚でした。

MAZAQ㈱ 代表取締役 小竹 康裕 氏(柏崎支部)
私は初めて全国大会に参加しました。まず青森のおもてなしに感動し、全国から集まった皆さんの情熱と熱意に圧倒され、仲間の皆様がこうやって全国にいると思うと心強く感じると共に励まされました。報告中にうなずきすぎて首が筋肉痛になるほど刺激的でした。交流の場では障がい者を取り巻く環境や未来について盛り上がり、「人と人との“つながり”」を肌で感じることができました。真面目に学びつつも笑顔の絶えない2日間となりました。今回の学びと笑顔を職場に持ち帰り、より温かく強く、魅力ある組織を目指していきます。初めての全国デビュー、新潟メンバーで行けて最高の思い出になりました!ありがとうございました。

和楽亭 代表 澤口 卓 氏(新潟支部セントラル地区)
7年前に右も左も分からず始めた障がい者事業。新潟の仲間と初の障全交に参加しました。参加の目的は「知識、経験ゼロスタートの自分の支援活動は、果たしてどうなのかを確かめたい」ということと、青森への訪問を機会に十和田市にある農福連携を行っている同友会企業の見学をすることがメインでした。行きの道中は部会長の小林さんに同行をお願いし、福祉に対する考え方やスタンスを色々お話しして、今後の活力が湧きました。分科会でも色々な学びはありましたが新潟参加者の熱い想いはどこにも負けていないな、と再認識しました。障全交は、2年に一度の開催なので、2027年神奈川の次は是非新潟に誘致して、障がい者が活躍している新潟を全国にアピールしたいと強く思った学びでした。

     

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中小企業の経営者及びこれに準ずる方で、会の趣旨に賛同される方は、どなたでもご入会いただけます。
また、会員企業の社員の方や会員でない方も参加できる行事があります。

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