新潟県中小企業家同友会
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2022年3月号

新潟県中小企業家同友会
広報誌 DO YOU KNOW?にいがた 3月号 Vol.410

■表紙
【ここで働きたくなるかっこいい会社】へ変化とチャレンジ
【有限会社神田板金 代表取締役】
神田 晃 氏
燕支部

■Contents
◇PEOPLE LIFE data No.023
インタビュー
神田 晃さん
有限会社神田板金 代表取締役 燕支部

◇企業進化論 Vol.87
すみれ建装株式会社

◇今月のイチオシ
(有)滝本工務店(燕支部)がセミナープレイス「PLUSTEN」を2021年12月19日にオープンしました。

◇ANOTHER REPORT 
新潟県中小企業家同友会
中小企業経営フォーラムDAYS2021

◇INFORMATION
第8回関東甲信越青年経営者フォーラムin新潟
第5回実行委員会報告

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神田板金と私、家業と後継者

神田板金は、私の父が1970年に創業、1990年に法人化した、屋根・外壁工事の専門店です。洗脳教育を受け(笑)、保育園の将来の夢も神田板金でした。仕事内容も大好きで、小学校高学年の頃には手伝い始め、中学卒業後には働くつもりでしたが、両親から「高校は行っておけ」と説得され、地域の進学校へ進みます。はじめは周囲の意識の高さに抵抗がありましたが次第に仲間もでき、「大学で色々と学ぶ選択肢もいいかも?」と思い始めた高校2年、父が病気を発症。高校卒業後、修行などに出ることもなく神田板金に入社しました。

二十歳を過ぎると、父は病状から先は長くないと、私に経理や経営関係のことを任せ始めました。当時の業界において板金業は立場が弱く、集金に行った際に値切ることが前提の小切手を渡されることが往々にしてありました。業界では当たり前の構図も、私には不思議でした。それを改善しようと、自分で仕事を取ってくることにシフトしていき、現在は6割程の仕事を、ユーザー様から直接依頼していただけるようになりました。

会社は2009年頃、仕事の3割をもらっていた元請けの会社と揉め、仕事がもらえなくなりました。「社員2名をリストラする」という話になりましたが、私は賛同できず1年待ってほしいと雇用を継続。その時に誕生した私の座右の銘『試されてるだけ』。試練や苦労にも感謝しよう”と考え、「俺がやらなきゃ誰がやるんだ」と決意し、何とか経営状態も戻り、その後縁の切れた会社ともまた繋がることができました。

それがきっかけか、同時期から父は経営に口を出すことがなくなり、実質的に私が会社を任される状態になりました。

 

 

経営者としてのターニングポイント

高校3年時に椎間板ヘルニアの手術を受けていた私は、腰痛と戦いながらも現場が楽しく、だましだまし仕事をしてきました。ところが、35歳の時に2回目の手術。状態が悪く、現場での仕事からも手を引かざるを得なくなりました。青年会議所の先輩のアドバイスもあり、後ろ髪を引かれながらも経営に専念し、代表に就任します。

人材確保のため環境改善を進め、悪習である現場ありきの勤務時間を1時間短縮しました。また、土曜日の出勤を希望制に変更し、「家族の用事で土曜日に会社を休む」ということをなくしました。稼働日は大きく減りましたが、やってみると売り上げには影響はなく、他社との違いにもなりました。

15年ほど前から展示会を一緒にやっていた塚原裕康さん(株式会社 R-CRAFT 燕支部)から同友会を紹介され、第4期経営指針成文化と実践の会を受講します。当時は「経営者は力強いリーダーであるべき」「腕のいい職人を集められる強い会社」を目指していました。受講中、田中聡美さん(株式会社 東新 燕支部)に個人的なカウンセリングをしてもらいました。客観的に分析してもらい、話をする中で、自分の抱えていた肩の荷が下りた気がしました。そこで考え方が変わり、「社内には守るべき人がいて、育てていく人がいる。育てることで、強い会社になっていく。」と思うようになりました。

 

新たな目論見・チャレンジ

2022年1月、会社事務所を改装し『マタゼンカフェ』をオープンしました。店内の一部が事務スペースになっており、妻が店長として対応をしてくれています。ここ旧下田村は、“過疎地域”に指定され、人が集まれる場所はほとんどありません。地元の中高生・主婦・高齢者がお茶をする場所にしてもらえればと補助金を使ってオープンしました。会社としても、普段来客の少ない業種のため、新しいコミュニケーションが生まれています。カフェの内装には、自社の板金を使用し、カフェを通じて自社を知ってもらおうという仕組みにも取り組んでいます。

他にも、続々と新たな取り組みが計画・スタートしました。これらの取り組みから、自社の認知度を上げ、【ここで働きたくなるカッコイイ会社】を目指しています。

 

 

有限会社神田板金

代表取締役 : 神田 晃 氏(燕支部)
業務内容 : 屋根、外壁、雨どい工事、リフォーム
住所 : 三条市荻堀1092-2
TEL : 0256-46-3072
創業 : 昭和45年(1970年) 設立 : 平成2年(1990年)
従業員数 : 7名(職人6名、パート事務1名)
 

 

 

会社紹介

当社は新潟市東区で、一般住宅・アパート・事業所・工場・ガソリンスタンド等の屋外塗装工事を中心に、祖父(澄男)が昭和38年に創業、49年に法人化し令和4年3月より第49期がスタートしました。

私は高校卒業後、他の企業に就職する事なく18歳ですみれ建装株式会社に入社し、父(義男)が60歳、私が34歳の時に事業承継を行い、代表取締役として10年目を迎えております。

 

 

結婚20年・同友会歴20年

25歳の時、自分自身が知っている世間が、会社内しかなく友人も少なかった私が、会社の悩みや当時の社長(父親)への不満を取引先の先輩経営者の方に相談したところ、『平川君にピッタリな所がある』と同友会を紹介され入会、今年で20年を迎えました。同友会では支部長をはじめ様々な役割を通じて、多くの学びと気付きを得て自社経営に生かしております。

また、同じ年に結婚。今年高校を卒業する18歳の長男から生後8か月まで“4男1女”の5人の宝に恵まれました。

 

すみれ建装の経営課題・社員の声から新たな事業展開へ

当社の経営課題、それは“天候”です。これは新潟の塗装業界全体の課題でもありますが、屋外塗装の場合どんなに性能が良い塗料を塗装しても、降雨や降雪で塗装する下地が湿ってしまえば塗料が付着せず、また塗装しても1~2年位で塗膜が剥がれてしまうからです。

ちなみに“晴天時間ランキング”では、新潟は全国37位。また“降水時間ランキング”では全国4位と新潟県は晴れ間が少なく雨が多い地域になります。

そんな環境の下、社員さんの雇用を守り、地域やお客様に必要とされ、会社が永続的に成長・発展し続ける事が当社最大の経営課題でありました。

そんなある日、私と同じ年の社員さん(現在は技術部長)から「この技術をうちの会社で取り組まないか?」と相談を受けました。それは“高温水と重曹”を使い雨天でも施工可能な、落書きや墓石等の汚れを落とす洗浄システム【エコロビーム工法】導入の話でした。

頑固な性格の私ですが、社員さんから提案してくれた話を実現したい!とその場で決断。相談から僅か1カ月弱で山梨県の企業と業務提携しました。

 

 

経営指針を創る会を通じて経営理念や自社固有の役割の発見へ

エコロビーム工法導入をきっかけに、展示会(新潟ビズエキスポ)に社員さんと一緒に出展するようになりました。また“経営指針を創る会(20期)”の参加を通じ経営理念の成文化や自社固有の役割を“塗装と洗浄を通じてお客様の様々なお困り事を解決する事”だと明確化する事が出来ました。また、受講を通じて変化していなかったのは自分自身だったと再認識いたしました。

 

新たなご縁と、様々な挑戦「すみれ建装の10年ビジョン」

3年前に青年部会の例会報告の機会を頂き、その例会報告資料(テーマ:10年ビジョン)を見てくれた私の妹の旦那さん(現在は取締役)が大手企業から当社へ入社し、現在は私と共に新たな光触媒事業へのチャレンジや、社員さんの働き方改革や、組織や業務の見直しの真っ最中で“家業から企業へ”少しずつ変化してきております。

創立50周年を控え数年前までは1人で悩み考えていた理念やビジョンも、現在は社員さんを巻き込み考えられるようになってきました。当社最大の強みである社員さんと共に“塗装・洗浄・光触媒”の事業を通じて新潟を明るくきれいにしたいと思います。

今後とも宜しくお願いいたします。

 

 

 

 

 

代表取締役の滝本勝則さんより、ご紹介とPRをしていただきます!

●なぜセミナープレイスPLUSTENをオープンしたのか

最寄り駅の吉田駅の過疎化が進んでいることに対して、悲しい気持ちがありました。

私自身、ずっとこの街に住んでおり昔はあんなに活気溢れていたのに、今は人が少ないことが当たり前になっており、そこに対しての悲しさや寂しさを感じていました。地元の子供達は燕市で働くのではなく、東京などの大都市に行くことが多くなり働き手が少ないことに対して危機感を覚えたこともあります。

そこで、働く環境を作ってあげればと思い、はじめはコワーキングスペースを作ろうと考えました。ご時世的にリモートワークが当たり前になり働く場所は問われない時代ですので、コワーキングスペースがあれば人も入ってくるという考えです。

一方で、事務所の改装を始め、近くのレンタルスペースに移転をしている中で新しい気づきがありました。これまで大工とは離れた場所で仕事をすることが多かったのですが、距離が縮まることでコミュニケーションが大切であることを再認識することができ、「コワーキングスペースは働く場所を提供するだけなので、コミュニケーションは生まれないのでは?」という考えに変わりました。また、社内ではSNSなどを活用した発信を新たにスタートして順調に進んでいましたが、オフラインでの発信がなくなってしまったこともあり、リアルにコミュニケーションが取れる場所を作りたいと考えセミナープレイスを作りました。

今後の展望としては、地元企業の方々と協力しこの場所を活用して情報発信をすることをしたいです。地元企業には中々伝わっていない魅力があります。それを地元企業同士が協力することで大きな波となり伝わっていくと考えてます。

結果としては、今後を担う若者たちにも情報が行き渡り地域の雇用につなげていきたいと考えています。


 


有限会社 滝本工務店 代表取締役 滝本 勝則 氏(燕支部)記

 

有限会社 滝本工務店
住所 : 燕市吉田法花堂1623
TEL : 0256-93-4844
代表取締役 : 滝本 勝則 氏(燕支部) 
業務内容 : 木造注文住宅の設計、施工

 

 
来年6月に開催となる「第8回関東甲信越経営フォーラムin新潟」に関する情報を青年部会から発信するコーナーです。

開催に向け毎月行っている実行委員会の様子や、開催に向けた進捗をお知らせいたします。
興味のある方はぜひ実行委員会へご参加ください!


 

 

関東甲信越フォーラムスローガン「志ありて、友ありて、未来あり 〜高き志ある仲間たちと未来を語ろう〜」とin新潟テーマ「集まれ!笑顔あふれる人の森」の唱和から始まった第5回の実行委員会。会の冒頭、「支え合うことが未来につながる、どんどん関わっていただき、良いものにしていきたい」と菅原実行委員長があいさつしました。本日メイン議題である座長室長の決定について、各県からの推薦プレゼンがスタートしました。

はじめに埼玉県候補者である八島氏より「未来へ100年続く会社を作りたいとの強い思いから座長候補を引き受けた」と座長への思いを語っていただきました。新潟県からは創業70年を迎える株式会社ヤマノイの山ノ井氏。頼まれごとは試されごとと学び、これを期に100年続く企業を作りたいと、こちらも座長に立候補した熱い思いを語ってくれました。そして、長野県からは株式会社オリンポスの長谷川氏。長谷川さんは青年部を後ろから押してくれるパワーのある方で、地域を越えて皆さんに是非長谷川さんを知ってほしいとメンバーからの熱い言葉をいただきました。

ここから座長室長候補者選任に向け、グループ討論へ突入。各グループにおいて討論が交わされ、この内容をもとに全体で最終の議論が交わされました。皆さんの思いから「第一分科会 座長 八島氏 室長 山ノ井氏」「第二分科会 座長 長谷川氏」に決定し実行委員会も終盤へ。最後は、in新潟テーマを略した「あつもりー」の言葉で締められた実行委員会。今回も得るものが多い実行委員会でした。次回もご参加よろしくお願いいたします!


青年部会広報チーム 林 健太郎
有限会社ファッションハヤシ 取締役社長 記
 

 

『今考え、行動する‼ ~未来に向けて大切なこと~』をテーマに1月19日~27日に開催されました。
初めての複数日開催となり、オンラインを使いながらすべての分科会・記念講演へ参加できる方式となった今年の経営フォーラムは、述べ462名が参加しました。参加された3名の方の感想をご紹介します。


 
松本倉庫株式会社
代表取締役 野村 知可 氏
(長野同友会)

私は新潟と長野の合同開催となった『中小企業経営フォーラムDAYS2021』の第一分科会から参加しました。例会へZoom参加が可能になっていたことで新潟同友会とも繋がりが持て、各分科会への参加も叶いました。

新鮮かつ驚きだったのは7つもの分科会と記念講演が延べ8日間にわたり開催されたスケール観です。当日までに費やしたであろう時間を想像しつつ、新潟の皆さんの日頃の関係性の良さを感じながらの贅沢な日々でした。

今回の『DAYS』で皆さんと共に学ぶ機会を得て、おかげさまで多くの気づきがありました。気づいたにとどめず『学んで実践』しようと思いを新たにしています。新潟に大勢の学び仲間ができて素直に嬉しい気持ちです。

 

 

 


 
研冷工業株式会社
代表取締役社長 酒井 巳喜雄 氏
(新潟支部セントラル地区)

記念講演講師の中村文昭さんは、「何のために仕事をしているの?」と言いました。「仕事は、作業ではない。同じパターンの行動を繰り返すと、ついつい慣れてしまって、作業をし終わらせることが目的になってしまうがそうではない。お仕事を頂いたことに感謝して、その人を喜ばせるのが仕事なんだ!」そう私は解釈しました。当然、お客さまが喜んでくだされば、その担当者も嬉しい。これこそ私が望む幸せの好循環です。日頃「ああしてくれ、こうして欲しい」と朝礼でくどくど話す自分が恥ずかしかったです。

あれから、「今日もお客さまを喜ばそう!」「喜んでもらおう!」と言い続けることにしました。


 
株式会社西部商会
代表取締役 木村 由美 氏
(新潟支部セントラル地区)

このフォーラムDAYSは私にとって経営者としてのあるべき姿、ビジネスの原則を再認識した期間でした。中村文昭氏の講演は「すべての仕事は人を喜ばせる為」の言葉にとても感動しました。講演を聞いて、渋沢栄一の「論語と算盤」が頭に浮かびました。片手に「論語(人間性、人格の磨き方、リーダーとしてのあり方)」もう片手に「そろばん(利益追及)」です。今コロナ禍で、多くの経営者は「両手にそろばん」になっていたのではないか(私も含めて)。この二つのバランスをしっかりと保てる経営者になろうと思いました。

第1・6分科会では、同友会という仲間がいて色んな業種の経営者がいて、横に手(目)を広げて手と手を繋なぎ大きな輪になる。それを実行してる経営者さんの話は私に力を与えてくれました。

実行委員長、設営に携わった皆様、ありがとうございました。

 

 

     

入会案内・お問い合わせ

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また、会員企業の社員の方や会員でない方も参加できる行事があります。

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