新潟県中小企業家同友会
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2021年9月号

新潟県中小企業家同友会
広報誌 DO YOU KNOW?にいがた 9月号 Vol.404

■表紙
きちんと理解することで、
人やお客様に伝えるときも
自信を持って伝えられる!!
本田 充 氏 【有限会社安田興和農事 取締役】下越南支部

■Contents
◇PEOPLE LIFE data No.017
本田 充さんインタビュー

◇企業進化論 Vol.81
株式会社インプレッシヴ

◇今月のイチオシ
料理研究家 梅田みどりさんがパンのレシピ本を出版

◇ANOTHER REPORT 
【関東甲信越青年経営者フォーラムin茨城】

◇INFORMATION
品田保男さん追悼のことば

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会社紹介

有限会社安田興和農事は、昭和57年に、当時新潟県内では数少ない農業法人として現代表が設立した会社です。経営内容としては、水稲生産販売がメインで現在は68ヘクタールの水田を作付けしております。その他にも計15棟あるハウスでイチゴ、ねぎ、ピーマン、オータムポエム、イチジクなどの施設園芸も行っております。

稲作は、春から収穫の秋までが作業のメインとなります。従業員を通年雇用し1年中農業で稼ぐ経営を目標とし、冬場でも収益を上げられるように水稲育苗ハウスの後利用として施設園芸を取り入れてきました。

しかしながら、昨今の米価の下落や気象災害の懸念から更なる経営の複合化が必要と判断されたため、平成23年に新潟県東部産業団地内に大規模鉄骨ハウスを建設してイチゴの栽培に着手し、現在は2棟の鉄骨ハウスを使用して栽培を行っております。

 

入社したきっかけ

新潟から大学入学時に上京して、卒業後に東京の建設会社で3年間建築の施工管理をやっていました。いずれは地元で働きたいと思っており、平成23年に結婚をする際、妻の父が現会社の社長で、新しくイチゴの栽培を始めようとしていたことから、「イチゴをやってみないか?」と誘われたことがきっかけで帰郷し入社しました。入社と同時にイチゴの栽培担当となり、研修会や先進農家で勉強しながらイチゴの栽培を進めていきました。農業は初めての経験でしたが、前職の経験から農業に応用できる部分はたくさんありました。しかし、相手が生き物なので心配でたまりませんでした。

 

 

自分の中で色濃く残る時期

私が入社した平成23年にイチゴのハウスの1棟目を新設し、平成26年に2棟目を増設しました。この2棟目は最初の計画の段階から大半の業務を任せてもらいました。ハウスの設計から始まり、面積が倍増した際の年間の作業計画や販売計画、人員の手配に加えて、助成金や金融機関の融資を受ける為の事業計画書作成などの業務も任せていただきました。大変な年でしたが、大きく成長できた年となりました。

もう一点印象深い年として、平成27年が挙げられます。この年は水稲の収穫間近に台風によるフェーン現象が発生し、大きな白穂被害があった年となりました。作付したお米のほとんどがダメになり、新設したばかりのイチゴの鉄骨ハウスもかなりの被害を受けました。自然相手だから仕方がないものの、天災に対する考え方、天災があることを見越した経営をしていかなければいけないという考えが強く植え付けられた年でもあります。前年度に任せてもらい建設した鉄骨ハウスが、イチゴを植付ける前に被害を受けたため、肉体的にも精神的に厳しい時期でもありましたが、それを乗り越えて収穫できた時の喜びはひとしおでした。

この2年が今の私にとって大きなターニングポイントです。

 

これから、そして大切にしている事

私は、理論を説明できない事や納得ができないことはやりたくないという面倒くさい性格の持ち主です。きちんと理解をすることで、人に教えるときやお客様へ伝えるときも自信をもって伝えられるからです。自分の考え、理解した理論があるから、失敗したときに成長によりつながるということを大切にしています。

私が社長と世代交代をする場面になった時、ずっとイチゴばかり見ているわけにはいきません。後輩の従業員を育てて、私がいなくても同じ品質のもの、もしくはそれ以上のものを作っていけるような体制を整えていかなければいけないと思っています。また、未だ農業業界は、従業員への福利厚生や制度面が一般企業と比べて低い水準の部分があります。その部分を整えていかなければ、人は集まりません。技術の面だけでなく、採用した人達が長く定着できる会社の体制をこれから作っていき、地元企業の皆様と共に歩み、共に発展していくことによりこの地の農業を支えていければと思います。

 

 

会社名:有限会社安田興和農事
取締役 : 果実部門長 本田 充 氏(下越南支部)
業務内容 : 水稲生産販売、農作業受託、施設園芸
住所 : 阿賀野市保田6735-2
TEL : 0250-68-4660
設立 : 1982年(昭和57年)
従業員数 : 20名(役員、パートアルバイト含めて)
 

 

企業紹介「インプレッシヴ」

株式会社インプレッシヴは、2006年に現会長の渡辺浩栄(元新潟支部セントラル地区会員)が創業しました。創業当初は、ホームページの制作を中心に仕事をしていました。時代の変化、会社規模の拡大に伴い、現在はコンピューターシステムの開発を中心にお客様企業1社1社が求めるシステムを制作しています。

2021年8月1日、代表取締役社長を佐藤彰(元新潟支部セントラル地区会員)から引き継ぎ、弊社の16期をスタートしました。株式会社インプレッシヴは令和元年に、株式会社インプレッシヴホールディングスを起ち上げ、インプレッシヴと共に、株式会社クライム・フォース、株式会社ディクラスタのグループ会社が存在しており、それぞれ、渡辺浩栄と佐藤彰が代表を務めています。

 

 

経営方針発表会と企業の想い

8月6日に弊社第16期の経営方針発表会を社内で行いました。代表は交代しましたが、弊社の経営理念は変わりません。その中でも「印象的で感動を与える仕事を創る」という私の大好きな理念を、今年も大切に伝えました。

また、今期の方針を伝えることも大切ですが、代表になる前から毎年の発表の際に私が社員の皆さんに伝えていることがあります。それは、社員一人ひとりの働き方、生き方についてです。現在・これからは「人生100年時代」と呼ばれています。定年の年齢も上昇する中、社会との関わりも長くなります。社員がどのような将来図を描くのか、また、その将来のために今自分が学べることは何なのか、それを常に考えてほしいと伝えています。些細な投げかけかもしれませんが、それが頭の片隅にでも残って、仮に会社を離れても、どこかで思い出すことがあればいいな、そう考えています。

インプレッシヴが一番大切にしている事は、「人が育つこと・育てること」です。もちろん、売上や業績は大切です。それがなければ会社はなくなってしまいます。人財が育つことと、会社の業績が上がることは両輪として必要なことだと考えています。社員が育ち、活躍する場所がインプレッシヴであり、その活躍をできるようにするのが企業です。その企業を創るのが、私の使命です。

 

 

課題と将来と同友会

現在の課題は、社内の組織体制と社員全体のリーダーシップの強化です。IT業界というと、スキルや技術が重要視されるイメージがあると思いますが、一番大切なのはやはり人付き合いです。システム開発は一人ではできず、チームを組んで行いますので、信頼関係が非常に大切になります。役職や部門ごとにピラミッドのような組織体制ですが、それをさらに見直し、各部門により良い環境を整備したいと考えています。また、チームを組んでプロジェクトを実行するという業務上、ベテラン社員以外がチームリーダーになることが多々あり、若手社員にもプロジェクトを引っ張るリーダーシップが必要になります。毎年数名、新卒採用と中途採用を行っており、企業の規模を徐々に拡大していく方針です。会社の土台を強化し、次のステップへ進んでいきます。

そのために必要な知恵や経験を同友会で教えていただく機会が多く、様々な方から実践や生きた事例を直接聞くことができ、書籍や講演では得られない角度のお話を聞くことができるのは大きなメリットです。自身のインプット・アウトプットをする重要な場にすることができています。

 

 

 

 

料理教室をリアル・オンラインと幅広く事業展開しているフードサロンやさいのひ(主宰 梅田みどり氏 上越支部)が、6月24日にワニブックスより「おうちで本格パン焼けました」を出版しました。

出版のきっかけは、2018年より始めたYouTubeの「やさいのひチャンネル」内で“タッパで作る簡単パン”の動画を配信したことです。家庭では少しハードルの高いパン作りを身近にあるタッパを使って、混ぜるだけで簡単に、しかも美味しいパンが作れるということで話題になり、YouTubeチャンネル内でも非常に高い人気を誇るシリーズとなりました(現在130本以上のシリーズ動画を配信中)。

この人気に注目した大手出版社より出版の打診があり、半年以上にわたる執筆活動の末、出版の運びとなりました。この本では、動画では分かりにくい部分などを写真を交えながら詳しく解説していて、今まで動画を見ながらメモを取っていた方にも役立つ内容となっています。また、使っている材料や道具、型などの説明も掲載しているので初心者の方にも最適です。Q&AコーナーではYouTubeを通じてコメントが多かった質問などに回答しているので、実際に作ってみた方が疑問に思うポイントをしっかりと押さえてあります。

YouTubeをきっかけにパン作りを始めた視聴者が、動画とレシピ本をあわせて活用することでさらに理解を深め、そして、日々発信されるパン作り動画で新作にチャレンジできるようになっています。

この秋からはネットを通じて一人ひとりをしっかりサポートするオンラインレッスンも開始します。皆さんも本を買って楽しいパン作りを始めてみませんか?

 

 

フードサロンやさいのひ

住所 : 上越市春日山町2-11-22
TEL : 025-522-6414
代表 : 梅田 みどり 氏(上越支部) 
業務内容 : 料理教室(オフライン・オンライン)、ケータリングサービス
 

 

 

日本中がコロナとオリンピックで大騒ぎをしている中、思いもよらない悲報が飛び込んできた。新潟同友会の品田保男さんが亡くなった!エッ!まさか?あの元気な品田さんが・・・。聞けばつい一か月ほど前まで元気に経営指針成文化と実践の会(以下指針の会)に出ておられたとのこと。あまりに急な事なのでにわかには信じられず頭が真っ白になってしまいました。誰よりも同友会を愛し、誰よりも仲間を愛した情熱家、品田保男さんが7月31日急逝されました。

品田さんは1987年入会の大先輩。行動的な品田さんは若いころから同友会の活動に積極的に参加し、数々の責任ある役職を担い、2001年〜2008年の8年間は代表理事として会を牽引。代表を降りられた後も相談役・顧問として会に多大な貢献をしてくださり、新潟同友会にとって忘れることのできない方です。

若い頃の品田さんは血気盛んで、その負けん気の強さで相手を論破し、時として誤解を受けることもありました。しかし後年は穏やかに人の話をよく聞き、適切なアドバイスを通じて多くの若い会員から愛され、慕われる存在となりました。世のため人のためになりたいと人一倍想いの強い品田さんは、同友会活動の中でも特に指針の会に注力し、若い人たちと真剣に向き合い多くの人に影響を与えました。

私と品田さんとの出会いは、共に同友会の代表理事の大役を担ってから特に親しくさせていただくようになりました。特に「良い会社はよい自分づくりから、人間として自分が成長しなければよい会社等できるわけがない。同友会はノウハウだけを学ぶ会ではない、謙虚に自分を見つめ人としての生きざまを学び、人間力を高め合う場をつくろう」と二人で話し合い始めた「人間力講座」は私と品田さんとの絆を深めた貴重な5年間でした。

知れば知るほど品田さんは勉強熱心な素敵な人でした。私はそんな品田さんが大好きで尊敬していました。その品田さんが「玉木さんはいつも謙虚で誰に対しても公平だ。私もそうなりたい。玉木さんと知り合えてよかった。」と私が赤面する誉め言葉を言ってくださいました。本当にありがたく感謝です。

まだまだ二人で力を合わせて同友会のために、後輩の皆さんのために伝えたいことがたくさんありましたね。共に過ごした30余年、心から同友会を愛し、信頼できる同志であり親友でもあった品田さん、お別れは早すぎるよ!せめてもう十年、一緒に歩みたかった!あなたを失うことは同友会にとってばかりではなく、私にとっても大きな悲しみです。

長い間ご苦労様でした。そして本当にありがとうございました。品田さんを愛する多くの仲間と共に、感謝の心を込めてご冥福をお祈りしたいと思います。

品田さん ほんとにありがとう! 安らかに

合掌

令和3年8月7日

株式会社フォークス 代表取締役
新潟同友会顧問 玉木 清 記

 

7月10日(土)に開催された関東甲信越青年経営者フォーラムin茨城。
Zoomによるオンライン開催に、関東甲信越の1都9県から多くの経営者が参加しました。例会に参加した中から、3名の感想を紹介します。来年2022年の関東甲信越青年経営者フォーラムは、新潟での開催が決定しています。ご期待ください!

 

 

株式会社エムプリント
代表取締役 石田光和氏
(村上支部)

私は第一分科会「株式会社こまむぐ」の小松和人さんの報告に参加しました。「人を生かす経営を実践」というフレーズに、自分にも活かせる話が聞けるかもと思いこの分科会を選びました。

小松さんは才能豊かな人で、若いうちから成功しましたが、ケガをしてお客さんに迷惑を掛けてしまったことから、社員の大切さを実感し「人を生かす経営」に力を入れているとのことでした。オリジナルの木製玩具を作る会社で、社員の美術展見学など美意識の向上には会社でお金を出したり、社員の親に挨拶に行ったなどの社員を想うエピソードを聞き、自分はどうだ?と考えさせられました。

こまむぐさんの商品がみんなかわいらしいのは、社員みんなが楽しみながら仕事をしているからなのでしょうね。

 

株式会社アドハウスパブリック
アカウントディレクター 佐藤貴子氏
(新潟支部セントラル地区)

参加して一番の学びは例会づくりでした。プレに何回か参加しましたが、毎回プレが終わった後グループ討論のテーマや方向性についても話し合い行われ、そこでの議論が一番勉強になりました。というより単純に面白かった。本当にこのテーマでいいのか、参加者を混乱させないためにはどうしたらいいのか。グループ討論が充実したものになるように、ものすごく考えることとなり、その過程で一参加者から参画者へ意識が変わっていったように思います。例会は参加するだけでも学び多いものですが、作る側に回ることで全く別次元の収穫があることを実感しました。

初のグループ長としては全く思うように仕切れず悔しい思いしかありませんが、それも含めて得るものの多いフォーラムでした。そしてこれは全て報告自体の素晴らしさがあってこそだったと思います。報告者である手塚さんの実践力がまず素晴らしかったし、それを見事に引き出し、報告とグループ討論の方向性をしっかりと指し示していた座長の桑田さんの力量に圧倒されました。私がいつか座長をする機会に恵まれたら桑田さんの座長っぷりをまず参考にしたいです。

フォーラムは他県の人と関わることができ、報告からもグループ討論からも大きな刺激を受けます。それだけですごく価値のあることを得たように思うのだけれど、大事なのはこれからで、フォーラムで得たことを一つでも実践すること。自分を見失わず今日から主体的にできることを一つずつ実践して行きたいと思いました。

 

 

有限会社笹山モータース
代表取締役 寺尾俊幸氏
(新潟支部イースト地区)

私は第2分科会に参加しました。報告者は、有限会社テヅカ精機 代表取締役の手塚良太氏です。業種は製造業・建設業(精密機械部品の製造とリフォーム業)をされていて、継承の想い、実践の難しさ、苦悩を報告いただきました。

グループ討論ではグループ長を任せていただきまして、これが大変勉強になりました。事前に何度も行われたグループ長ミーテイング。正直、私は普段の例会でもグループ長が苦手です。しかし、研修を通じて、グループ長に必要なファシリテーション力を磨くのは、会社内の会議でも同じことだと気が付きました。グループ長がいかに大切で重要だという事を学びました。報告を聞きながら質問を10個考えておく、グループ討論は広げて、絞って、深めていく話法や姿勢を学びました。今後の新潟支部でもグループ長をやる事もあると思います。より良いグループ討論とは何か、自問自答しながらより良い同友会活動を行いたいと改めて感じた例会でした。

     

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