新潟県中小企業家同友会
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2021年8月号

新潟県中小企業家同友会
広報誌 DO YOU KNOW?にいがた 8月号 Vol.403

■表紙
やるなら今しかない!
創業100年目の繊維製品の問屋が
開いた新事業の扉。
大嶋 哲 氏 【越後繊維株式会社 代表取締役】上越支部

■Contents
◇PEOPLE LIFE data No.016
大嶋 哲さんインタビュー

◇企業進化論 Vol.80
栄電機株式会社

◇今月のイチオシ
【会員企業取り組み紹介】株式会社弘新機工「くるみん」認定!

◇ANOTHER REPORT 
【会員企業連携情報 仕事×仕事 ビジネスコンビネーション】

◇INFORMATION
【第49回 青年経営者全国交流会from岐阜】オンライン開催のお知らせ
日本(ヒノモト)の中心へ集え、麒麟児よ!
―理念経営を貫くことが未来を切り拓く―

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  • ANOTHER REPORT

 

74年2月生まれの団塊ジュニア

同級生は数が多く、大学受験は大戦争で就職は氷河期。生き残るだけでも大変な学年でした。おかげで生き残りはタフな人が多い印象です。後継者になろうと思ったのは、楽しそうな仕事で商売に興味があったことと、高3の頃に勉強が嫌いで進学もままならなかったから、というところで、専門学校に行って会社の経営者になりたいと父に伝えました。結果的に浪人し、大学も卒業することになりましたが。

越後繊維株式会社は1919年(大正8年)創業で102年の歴史がありますが、私の代が最後だなと覚悟しながらの経営です。今でも全く順調な経営ではありませんが、同友会、先輩経営者、友人、家族などの支えによって今に至り、現在は品を変え変革に挑んでいます。

私が経営者になってから実績は右肩下がりを続け、同友会の経営指針を受講しても変わらず、近年は本業が赤字体質で、営業外収益で何とかしている状態です。この体たらくは予想しておりましたので、5年ほど前から新たな成長戦略を様々検討し始めました。

 

繊維の卸問屋がカーボン(炭素繊維)のロードバイクを作る

その中で、趣味でもあるロードバイクなどのスポーツバイク市場は流通経路が複雑で、市場も大きくないことから、中小企業に向いている市場だと判断し、参入を参画しました。生産を中国で行うため、中国を何度も訪れます。8か月ほど上海に滞在した過去から、生活できる程度に中国語で会話ができることは強みだと感じました。最初は「衣服の販売をする企業だけど、自転車を取り扱いたいんだ」と中国の会社に伝えても相手にされず、社内でも「え?」という感じ。【だけど、自分を信じて前進あるのみ!】と、オリジナルブランド“毘沙”のロードバイクの販売を開始します。

最初は全く分からず、スポーツバイクショップに電話するも相手にされませんでしたが、徐々にお付き合いしてくれるショップが増え、そのショップの名前からわらしべ長者のように段々と勢いを増し、今は全国75店舗とお付き合いしています。自社と付き合ってよかったと思ってもらえるように全力でサポートします。

今、スポーツバイク業界で一番困っているのは、シマノ(世界最大の自転車部品メーカー)が部品を供給してくれないことです。ライバルもみんな困っていますが、フレームはいくらでも作ることができるけど、完成車にするには、変速機やシフト、ブレーキが必要なのですが、タイやマレーシアなどにある工場がコロナのためうまく稼働せず、世界的に自転車需要が高まっているため、部品が全くないことに泣かされています。半面、そのおかげで、1号機が売れた面もあるので、私にとってコロナは良かったのかもしれません。

 

 

「良い会社」になるために

中小企業が狙うべきは大手が狙わないニッチな市場(具体的に100億程度)で単価の高いビジネスが良いと思います。同じ自転車でもママチャリ市場は大量に作って安く仕入れて販売する仕組みがホームセンター、あさひなどの専門店で出来上がっています。そんな市場が皆様の好きな趣味と同じだったらぜひ狙ってください。諦めなければ、きっと結果が出るはずです。このアイディアは上越市の先輩経営者、石塚さん(㈱ホンダウォーク 上越支部)から頂戴しました。

私はいまだにケチで色々な問題がありますが、同友会に勉強させていただきました。社員さんがいなければお金も借りられないし、用意できません。何をするにしても信用を得ることは並のものではありません。やっぱり、「良い会社」目指して頑張らなきゃいけない。私の「良い会社」は社員さんが退職するときにここで働けて良かったと思える所です。永続し環境を整える。そのために勉強させていただきます。

 

 

会社名:越後繊維株式会社
代表取締役 : 大嶋 哲 氏
人財活用事業部 部長 : 草間 光夫 氏
業務内容 : 繊維製品を北信越地域の小売店のお客様に卸売り、寝具・婦人・学生服・作業着・インテリア・肌着・タオル
住所 : 上越市本町7-2-6
TEL : 025-524-4103
HP : http://www.echigoseni.jp
毘沙HP : https://bisya.jp/#!/up
設立 : 1919年
従業員数 : 20名

 

戦後 祖父が起業した栄電機

栄電機株式会社はロータリースイッチと呼ばれる電機機器の切換スイッチのメーカーとして私の祖父が1959年に兵庫県尼崎にて創業いたしました。「繁栄するように」との願いを込め「栄」の文字を使ったそうです。

新潟県弥彦村生まれの祖父がなぜ尼崎で起業したかというと、戦後に地元新潟でなかなか仕事の当てがなく、当時尼崎が県外からの就労者を募集しているという事で、祖父は尼崎に職を求め移住したそうです。その後、祖母と結婚をし、起業したと聞いています。

創業当初は仕事も上手くいかず、明日食べる米が無い時もあり、祖母も大変だったそうです。高度経済成長期もあり、事業もある程度軌道に乗り、1970年に祖父の目標でもあった生まれ故郷の新潟県弥彦村に新潟工場を開設。その後、尼崎本社工場を1975年に新潟工場に移転し、新潟本社工場としました。更に1989年に燕市(旧吉田町)に新たに新工場を開設し、規模を大きくしました。新工場の開設と同時期に社長交代が行われ、私の父が2代目に就任しました。

 

 

入社と時代の移り変わり

私は1995年に高校卒業と同時に栄電機に入社します。しかし、その頃にはすでに高度経済成長期も終わりを告げ、また当社のロータリースイッチは、電子化の波に飲まれ、需要が減少していき売り上げは右肩下がりに。

1998年頃、先方のお客様から当社が得意としている材質で銅や真鍮の金属加工をやってみないかとの相談を受け、「是非やらせてください」とお願いして、汎用の加工機械も貸していただき、本格的に金属加工を始める事になりました。ですが、加工を始めてしばらくした頃、すでに汎用の加工機自体が古い加工技術という事もあり、徐々に限界を感じてきました。

そこで、2003年に当時27歳の私がCNCマシニング(電子制御の加工機)を導入して欲しいと当時の社長(父)に懇願します。売上も落ちている状態で1,000万円もかかる加工機の導入、社長からは大反対を受けましたが、当時の常務(父の弟)の説得もあり何とか購入する事が出来ました。ところが、私も初めて扱う機械で、使用に関する講習を受けても、半年くらいはまともに動かすことも出来ない状態でした。

社長からは当時「こんな高い鉄くずを買いやがって」と嫌味を言われ続けましたが、それが悔しくて何とかものにしてやると日々会社に泊まり込んで、一生懸命仕事をこなしていきました。その半年後、購入して1年後には加工機での売り上げは汎用機の頃から比べて倍以上にすることができ、2台目以降の購入はスムーズに承諾してもらいました。

 

 

3代目社長に就任 これからの展望

そして2015年にテイクル株式会社の廃業に伴い、跡地を購入し事業譲渡も受け、会社の用地は3倍、売上は2倍となり、同時に当時38歳で父から私へ社長交代も行いました。

また、2020年9月に私と他社の代表2人に協力して頂き、新たに製品の企画販売を行う株式会社サンデザインクリエイションという会社を3人で立ち上げました。新会社では自分がやりたい仕事、やっていて楽しい仕事を中心に時代の流れについて行くため「内容とスピード感」を持って突っ走っています。現在はコロナグッズを中心に企画販売していますが、今後はこだわりを持った商品「逸品」を中心に栄電機で製造しサンデザインクリエイションで企画販売していきます。

栄電機として今後は日本で唯一、大型ロータリースイッチの製造メーカーとして邁進し、加工分野でも銅、真鍮、アルミの加工技術を向上させ売上を伸ばしていきます。

 

 

 

大型車両の修理・ボディ制作等を事業にする㈱弘新機工(代表取締役 渡邊修士氏 新発田支部)が厚生労働省認定の「子育てサポート企業 くるみん」に3回目の認定をされました!!おめでとうございます!

「くるみん」は、2005年に施工された“次世代育成支援対策推進法”をきっかけに生まれた「子育てサポート認定企業」に送られる認定マークです。この認定マークのある企業は簡単に言えば、【仕事と子育てを両立して働ける環境を整備した企業】です。

初めて認定となった2014年以前、弘新機工渡辺社長は、社員さんが結婚や出産、その後の育児を理由に会社を退社しなければいけない、復帰ができないと判断してしまう選択肢を作らないために“何か”しなければいけないと考えていました。その“何か”がわからず、ゴール(指標)が必要だと思い、くるみん認定を目指したそうです。「目標が決まり、女性社員の育児休業取得を促進することで、男性社員も育児休業を取得しやすくなり、“家族から応援してもらえる会社”に近づけたのではないかと思います。育休はもちろん、有給休暇も取得しやすくなるということは、社員の定着、新規採用に繋がると思います。」と代表取締役の渡辺修士さんは話します。2019年、2021年と3回目の認定を受けた弘新機工。「まだまだやれることがある。4回目の認定をめざします。」とさらなる環境改善に取り組んでいきます。

こういった取り組みに自信のある企業、または、これから改善を計画していて、指標が欲しいという企業は、ぜひ次回のくるみんに応募してはどうでしょう!きっといろいろな形で効果があると思います。

 

株式会社弘新機工

住所 : 新発田市曽根278
TEL : 0254-27-2441
代表取締役 : 渡辺 修士 氏(新発田支部)
業務内容 : 車輛修理

 

 

 

2021年9月9日(木)、第49回青年経営者全国交流会が、岐阜県からオンライン開催されます。全国各地の将来を期待される青年経営者たちが、19の分科会に分かれ報告します。記念講演はGlobal Mobility Service株式会社 代表取締役社長の中島徳至氏をお招きし、『まじめな人が活躍できる未来への挑戦 ~貧困なき社会の実現に向けて~』というテーマでお話しいただきます。分科会、記念講演の詳細については、下記のQRコードからリーフレットをご覧ください。

“青年経営者全国交流会”という名称ですが、どなたでもご参加いただけます。例年、若手からベテランまで多くの経営者が参加しています。気軽に参加できるオンライン開催です。この機会に全国レベルの経営者と学びあいませんか?お申込みはe.doyuにご登録いただくか、新潟同友会事務局へご連絡ください。

※申込締切8月26日(木)

※8月27日以降のキャンセルは、会費を全額ご負担いただきますのでご了承ください。

(新潟同友会事務局 記)

 

新潟同友会の会員企業同士が連携を取り、仕事の新たな形を紹介するコーナー。
今月は新潟支部の2社、株式会社 ヒューマンリソース 取締役学校長の東條さんと株式会社 給材 代表取締役の宮崎さんの取り組みを紹介します。

 

 

運営するプログラミング教室「ミライのプログラミング—ミラプロ」にて、プログラミングだけでなく様々な形で生徒に学びを提供する東條さん。今回、株式会社給材さんと連携して進めたテーマが「コピーライティング」です。座学で専門家から学ぶだけでなく、実際に販売している商品に小学生の生徒達がコピーライティングを行い、それを販売してもらって影響や効果を調べる企画。協力した株式会社給材さんの「和縁」で販売しているカレーパン【癖虜〈ヤミツキ〉米カリーP】を実際に食べて触感・味を知り、宮崎さんに質問を投げかけながら「誰に、どんな時に食べてほしいのか」と話し合い、コピーを作成していました。

事前に他のパン屋さんやコンビニで売っているカレーパンを食べてマーケティングを行い、「このカレーパンとの違いは?」「自分だったらいつ食べたいかな?」と意見を交換しながら徐々に意見をまとめていきます。全4回の授業の中で、最終的に

● 「レンジで“モチッ”そのまま“サクッ”オーブンで“カリッ”食べくらべをしてみよう、米かりーP」

● 「お米の甘みが広がる米カリーP」
という2つの案を作成。2週間の実際の店舗でアンケート調査を行い、その結果を生徒たちにフィードバックというかたちで、良かった点、改善しないといけない点を話し合いました。

生徒からは「誰かに買ってもらいたいという気持ちを言葉にするのが難しかった」「お店で売っている物のキャッチャーが気になるようになった」「アンケートの数のデータから知れることがいっぱいあって面白かった」という感想が寄せられました。

企業連携を行った宮崎さんは「今までの私目線、社内目線ではなく子供たちが食べて、聞いて、感じる、言葉にする。その時間を共有させていただき大きな刺激をいただきました。このような取り組みはミラプロさん以外でも広げていけないものか?と考えています。これから新潟を担う子供たちからヒントを得られる素晴らしい経験でした。」と、主催した東條さんは「ITやプログラミングの学びは受験で終わる今までの学びと違って、社会に出てから生涯に渡って役に立つ学びです。自分たちが今学んでいることがどんな仕事に生かせるのかを、小学生のうちからたくさんの企業と関わりあって気づきになるキャリア教育の時間になればと思っています。」と話しました。

このミラプロでは、今後も同友会企業とコラボレーションを行い、生徒と中小企業を繋ぎながら、ここでしか得られない学びを提供していきたいそうです。アイデア、依頼等ございましたら、ぜひ東條さんへご連絡ください。

 

 

     

入会案内・お問い合わせ

中小企業の経営者及びこれに準ずる方で、会の趣旨に賛同される方は、どなたでもご入会いただけます。
また、会員企業の社員の方や会員でない方も参加できる行事があります。

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