広報誌同友にいがた
2025年10月号

新潟県中小企業家同友会
広報誌 DO YOU KNOW?にいがた 10月号 Vol.449
2025年10月号
新潟県中小企業家同友会
広報誌 DO YOU KNOW?にいがた 10月号 Vol.449
■表紙
危機的状況が与えてくれた覚悟、
世界と並ぶ生ハムを目指す
【有限会社へんじんもっこ 代表取締役社長】
渡邊 省吾 氏 佐渡支部
■Contents
◇PEOPLE LIFE data No.062
未来を創る! 新潟の企業家たち
佐渡から日本を代表し、
世界3大生ハムと並びたい
渡邊 省吾さん 有限会社へんじんもっこ 代表取締役社長
◇支部・委員会・部会活動報告
それぞれのテーマを専門的に学び、問題を解決!
燕支部/柏崎支部/政策委員会/ソーシャルビジネス部会
◇新入会員紹介
◇私とお話しませんか?会員交流の館 vol.25
◇ANOTHER REPORT
例会や行事の報告など、
情報共有の場としてフリーテーマで同友会の情報を発信します。
第28回女性経営者全国交流会in東京 参加者レポート
- PEOPLE LIFE data
- 委員会・部会活動
- 新入会員紹介
- 会員交流の館
- ANOTHER REPORT
会社の事業内容、歴史
弊社は食肉加工業を営んでおり、ソーセージ、ハム、サラミの製造しています。それ以外に直営のレストラン、ジェラート販売をしております。創業は養鶏の仕事を始めた祖父で、卵と鶏肉を販売していたのが始まりです。1979年に父が精肉店をスタートしたのですが、スーパーが増えてきて価格競争になってきたことから食肉加工に業態を変化させてきました。法人化をしたのが1995年の事です。
入社の経緯と入社後のギャップ
家業もあり、小学生の頃から漠然とドイツに行きたいと思っていました。学校の授業でソーセージ作りがあって、完成品を持って帰ると父が褒めてくれたんです。それが成功体験になって、ドイツに行ってソーセージ作りを学びに行きたいと思い、高校を卒業してすぐに渡独。父の繋がりから、ドイツ在住の日本人の方に職場を紹介してもらいました。ドイツでは、専門職に就くためにはマイスター制度という国家資格「ゲセレ(職人)」の取得が義務付けられており、3年間の座学と実習があります。その間、職業学校にも通いつつ、お店で実務を学びます。3年目の試験に合格すると一人前の職人と認められます。私は無事に資格を取得し、1年間職人として働いた後帰国、へんじんもっこへ2001年に入社しました。
入社後、開発したソーセージをドイツで行われるSUFFAという世界最高峰の食肉加工コンテストに出品したところ、総合優勝を受賞することができました。自分が作るものはクオリティが高いと証明されたような気がしましたが、日本で販売しても大きな売上には繋がらなかったんです。そこから徐々にお客様のニーズに答えたものを作らないと、いくらクオリティが高くても買ってもらえないんだなと思うようになりました。
ターニングポイントと同友会
経営的なターニングポイントはコロナ後。売上が0になれば、2ヶ月で倒産してしまうほどキャッシュがない危機的状況でした。これまで自分がちゃんと経営に向き合ってこなかったことが、コロナ後に現れたんだと思います。振り返れば、その経験を通じて、価値観も変わりました。職人のプライドを持っていたからなのか、変なこだわりがあったのか。それがなくなったというか、まずは売り上げを出して、会社を維持していかないと家族も社員も守れない、自分の考えを改めるべきでは、と感じました。金融機関からコロナ融資を受けたことで、少し心に余裕を持て、考えたり勉強する時間ができました。危機的状況は変わらないんですが、物事の捉え方が変わり、その状況と向き合えるようになりました。佐渡金山が世界遺産登録になるという話に合わせて、佐渡金山らしい商品開発をしました。また、佐渡で活躍するYouTuberの方とコラボする機会もありました。コロナの時に、色々と考える習慣がつき、勉強するようになったから、前向きに色々な行動をすることが出来ました。
同友会には2024年11月に入会しました。そのきっかけとなった広島の川中さん(㈱EVENTOS)の報告のあと、現地視察もさせてもらった時に決算書まで見せていただいて、「ここまで見せてくれるのか」と驚きました。会社の事ひとつひとつにきちんとしたロジックがあって、地域柄佐渡と繋がる部分もあって、とても勉強になりました。今まで「どうやって稼ぐ?」というようなお金の話は引かれてしまうので、なかなかできないでいましたが、同友会ではそういう話をしても受け入れてもらえて、私にとってはすごく魅力に感じました。また、今までインプットばっかりしてきてたんですが、アウトプットができる場になっていることも、魅力の一つです。
今後の夢
日本から世界三大生ハム(イタリア・スペイン・中国)に肩を並べるハムを作り出したいと考えており、酒粕生ハムの商品化を目指しています。酒粕をお金かけて廃棄している酒蔵さんの事情を聴き、商品に使えたら、と考えたことがきっかけです。商品化が出来れば、日本中の酒蔵さんの酒粕問題が解決されるうえ、各ご当地の生ハムが誕生すると思うんです。そうなったら、すごく面白いのかなと思っています。日本全体で作れるようになれば、日本を代表する生ハムになれる、世界に届くような生ハムになるのかもしれない。自分の夢へのロードマップです。
有限会社へんじんもっこ
代表取締役社長 : 渡邊 省吾 氏(佐渡支部)
事業内容 : 食肉加工(ソーセージ、ハム、サラミの製造)、レストラン デビンコへんじんもっこ経営、ジェラート店 マッテラート経営
住所 : 佐渡市新穂北方548
TEL : 0259-22-2204
創業 : 1979年
従業員数 : 16名

皆さん、こんにちは。今年度より燕支部長を務めさせていただくことになりました、ミノル製作所株式会社の本多貴之です。
まず、燕支部の組織についてご紹介します。副支部長は4名おり、それぞれが1つのグループを担当しています。今年度は、各副支部長に一足早くNDGsを会社に置き換えて取り組んでもらいました。その結果、各グループが自分たちに足りないカテゴリーを見つけ、それを例会づくりに活かす形となっています。
各グループには、年間2回の例会を担当してもらいます。どちらも同じカテゴリーで行いますが、2回目は1回目よりも内容をブラッシュアップしていただくようお願いしています。
もうひとつの取り組みとして、第4グループ(渡辺副支部長が担当)が、昨年に引き続き「新入会員オリエンテーションチーム」として活動します。新しく入会された方には、同友会の例会内容やe-doyuの使い方などを丁寧に説明し、安心して参加できるようサポートします。また、三条支部とのブロック例会も担当し、他支部との交流も深めていく予定です。
今年度は、これら2つの取り組みに力を入れて活動してまいります。新しい燕支部を、どうぞよろしくお願いいたします。
燕支部長 本多 貴之(ミノル製作所㈱ 代表取締役 燕支部) 記
2017年7月に柏崎支部が設立されてから少し時間が経ちました。この間同友会を通じて多くの方と出会い、様々な変化を体験することができました。特にオンラインを通じた本格的なディスカッションでの学びは「同友会ならでは」だと思います。また、今年2025年、魚沼支部設立の準備に関わることができました。新支部設立に向けて力を合わせる体験は良い思い出になることでしょう。
新たな仲間と便利なツールを使って気付くのは「実際に会いに行く」ことの重要性。目的を明確に、じっくり例会づくりにエネルギーを注げる余裕が大切だと思います。リアルな交流はそれだけで価値が高く、10年先、20年先、多くの会員が全国からわざわざ出掛けたくなる柏崎支部を目指します。
今年の漢字一文字は「昭」を選びました。「照らす」「明らかにする」という意味。自発的に取り組む人が輝けるように「光」を当て続ける。太陽ような大きな存在に自分自身が成長したいという願いを込めました。
柏崎支部長 中村 昭夫(コンタワークス株式会社 代表取締役 柏崎支部) 記
今年度の政策委員会は昨年に引き続き6月に実施した景況調査の結果を取りまとめ会内外に発信し私たち中小企業が抱える問題点、課題次のステージへ活かすことの実践を行っている他、8月には新潟日報経済部の記者の方々との懇親会を実施しお互いのコミュニケーションを深める機会を持ちました。今後の新潟同友会の活動や発信を幅広く発信してもらう事、中小企業が抱える問題点を調べる上で先ずは新潟同友会に確認することが一番の近道という関係性を構築する活動を行っています。また、9月24日には香川同友会代表理事の林哲也氏に来県していただき『賃上げができる企業づくりの王道を進もう。最低賃金1500円時代、その先へ』というテーマで報告をしていただきます。毎年引き上げられている最低賃金ですが私たち中小企業の経営者はこの現状をいかにして打開していくのか?他人事ではなく自分事として何をするのかを考え実践につなげる例会を開催します。今から10年以上前から時給1500円時代が来る!その為に実践してきた林氏の報告です。今年度に限らず毎年のように厳しい経営環境ですが外部機関との連携を進め自社の発展と働く社員さんの未来、笑顔の見える経営実践の為を考えた活動を進めていきます。
政策委員長 宮崎 伸洋(㈱給材 代表取締役 新潟支部イースト地区) 記
2年前、愛知での障全交に参加した際に、現中同協事務局長の池田さんから「今度新潟で障害者問題委員会の開催したらどう?」とお声掛けをいただき、満を持しての今年7月。全国から中同協の障害者問題委員会の皆さまが新潟に来てくださいました。そんなまたとないチャンスで、私は報告をさせてもらう機会も頂きました。新潟が誇る国内最高峰の就労支援事業所(澤口卓さん 和楽亭澤 新潟支部セントラル地区)の視察も含め、とても良い機会になったと思っています。また、各支部との例会でコラボしたり、障害福祉系の例会を積極的に開催してきました。理事役員研修においても、エイベックス㈱の加藤会長から『人間尊重の経営』が同友会3つの理念の根本になるとの報告をいただき、改めて我々が担っている役割の重要さを再認識しました。
私が今年度掲げた一文字は『大』です。右腕社員に「俺をイメージした漢字一文字って何?」と聞いたら、即答で「今年で言うなら『大』ですね!10周年の飛躍の年、社会を変える大きな一歩、40歳の大台…etc.」そんな風に言ってくれる社員たちや、そんな社会を一緒に創っていける同友会の仲間たちとこれからも進み続けたいと強く思います。今年は青森での障全交にも参加しますが、県内での気運を高めていき、いつか新潟でも開催したいと考えています。
ソーシャルビジネス部会長 小林 俊介(㈱With You 代表取締役社長 柏崎支部) 記
平川:先日開催された広報情報化委員会にて、山口さんのお話が気になって、せっかくなのでこのコーナーでぜひお話したいと思いお伺いしました。改めて、会社のお話しから教えてもらえますか?
山口:ご訪問いただきありがとうございます。弊社はオフィス向けの複合機、IT機器関係の製品販売や、関連する補助金活用の相談等、企業を中心としたオフィス周りのサポートを行っています。本社は富山県高岡市にあり、実はこの5月にM&Aで新潟オフィスとしてスタートを切りました。
平川:その辺り(M&A)について話せる範囲で経緯を教えてもらえますか?
山口:私は“新潟オフィス代表”を務めていますがYAMABEの既存社員ではなく、元々は秋葉区にある同業の企業に勤めていました。会社がM&Aを利用することになり、その該当部門をYAMABEの新潟オフィスとして5月に開設しました。同友会は本社が富山同友会に入会しており、新潟オフィスの開設にあたり入会の話があり、よくわからないまま入会することになりました(笑)。
平川:M&Aとなると、今までの会社からかなり変わる部分もあったんじゃないですか?また、社員の立場から5月に新潟オフィスの代表になったとのことでしたが、個人的な変化はありましたか?代表としての考えなども教えていただけると嬉しいです。
山口:そうですね。元々アナログで進めていた会社業務がデータ管理に切り替わり、まだ慣れていないことがいくつもありますね。正直なところ、今はまだ今までの延長線上にいるという感覚です。始まったばかりで、本社のやり方に則って、新潟オフィスとしてのベースを作る必要があると考えています。前身はあっても、この地域では新しい会社です。厳しい業界で、企業数が減っている背景がある中で、長く地域で活躍し、頼られる企業でありたいと思っています。
平川:こういったお話を聞ける機会はあまりないので、すごく勉強になります。最後に、山口さんが大切にしていることがあれば教えてください。
山口:弊社の仕事の大半は、企業のDX化等に関わる仕事です。効率化のための機器、システムを生業としていますが、その過程にはどこかで必ず人と人とが繋がる仕事です。その縁を大切にしながら続けていきたいと考えています。
2025年9月4・5日(木・金)に、京王プラザホテルにて、第28回女性経営者全国交流会(以下女全交)が開催されました。
新潟同友会からは21名が参加し、奥野真理香さん(なにわ茶屋 女将 柏崎支部 魚沼支部準備会)が第4分科会報告者として報告されました。
第4分科会参加者を含む3名の感想をご紹介いたします。
ECアシスト&パートナーズ 代表 草間 光夫 氏(新潟支部セントラル地区)
第4分科会に参加して「なにわ茶屋」女将・奥野真理香さんのご報告を伺いました。特に心に残ったのは「人を尊重するには、まず自分からさらけ出す」という言葉です。障がいを持つ友人との出会いを原点に、ソーシャルワーカーの経験を事業に生かし、障がいをもつ人が安心して働ける場を創ろうと想い、まず自社において実践している話に共感いたしました。私が参加した第4グループからも、社員との関わり方に悩む女性経営者さんがいて、奥野さんの話から「自分の想いを開示することが、相手を認め合う第一歩」だと気づかされたとおっしゃっていました。誰もがやりがいを持って働ける環境づくりは、規模や業種を問わず経営者に共通する課題だと感じます。グループ討論においても「一人ひとり考え方が違う。その違いを認める。認め合うために話すのだ!」と自然にまとまり、場所や環境は違くても経験を基にした話を通して互いに自分の率直な意見を出し合いながら、初めて話す人の心の中にその方が歩んできた時間と向き合った想いの深さに触れることができ、とても深い学びを得られた初めての女全交でした。
㈱西武商会 代表取締役副社長 木村 由美 氏(新潟支部セントラル地区)
久しぶりの女全交参加でした。赤城フーズ㈱代表取締役 遠山昌子(群馬同友会)氏報告の第6分科会に参加しました。「見方を変えれば、今ある物が再生のカギになる」。の言葉がすごく衝撃的でした。経営者それぞれの考え方、見方、決断の仕方、は違えど自社の基本となる物(製品、情報等)が何か?を経営者はしっかりと把握し自身をもって発信することでした。赤城フーズの復活はひとつの取り組みでできたのではなく、たくさんの取り組みが重なり合って今がある。自社の強みを信じてひたすら発信してきた結果、入社して20年の今年、大きく花が開いたと言う事でした。継続は力なりと言いますが簡単な事ではないと思います。花が咲くまでの種まき、水分、栄養補給、環境作り等…でも私達には、つまずいた時、方向を見失ったときの、同友会という素敵な場所(道しるべ)素敵な仲間たち(それぞれの特徴)がいる事に感謝です。久しぶりの全国大会に参加して、感じた事は年月が過ぎるとマンネリ化し、色も薄れていく。(方向性、理念)これからは理念をしっかりと抱えて承継をし、経営者が自分色を見つけてそれが交わりみんな色(自社色)にして地域で咲きほこれる会社にしていきたいと思います。
㈱給材 代表取締役 宮崎 伸洋 氏(新潟支部イースト地区)
㈱デリモを訪問する移動分科会に参加しました。㈱デリモさんの業務内容は調理麺キットの製造販売なのですが、先ずはその規模にびっくりさせられました。一日10万食、年商70億です。工場は埼玉県で人手不足の状況から機械化が進んでいるのだろうという推測とは真逆のアナログ現場でした。この時代にこれだけの人を集める事ができるのか?外国人が多いがコミュニケーションと定着は?など自社のこれからに参考となる事が多々ありました。その中でも、社内共育チームの椿さんの「人を大切にする企業文化と成長戦略」についての報告に多くの学びがありました。とても書ききれないほどの取組を社員が中心となり実践しており、同友会での学び実践も多かったです。最後に、一日10万食の食を提供しているが私たちは、お客様一人の商品づくり、たった一つの商品を作っています。「1/1の食事とは、大切な命を支える食事」この言葉はあらゆる仕事に共通する忘れてはならない事だと強く共感しました。














