広報誌同友にいがた
2025年2月号

新潟県中小企業家同友会
広報誌 DO YOU KNOW?にいがた 2月号 Vol.442
2025年2月号
新潟県中小企業家同友会
広報誌 DO YOU KNOW?にいがた 2月号 Vol.442
■表紙
働くを幸せに
二人の描く未来
【なにわ茶屋 代表】 奥野 直人 氏
【なにわ茶屋 女将】 奥野 真理香 氏 柏崎支部
■Contents
◇PEOPLE LIFE data No.055
未来を創る! 新潟の企業家たち
夢は諦めなくていい
今の自分にできること
奥野 直人さん なにわ茶屋 代表
奥野 真理香さん なにわ茶屋 女将
◇支部・委員会・部会活動報告
それぞれのテーマを専門的に学び、問題を解決!
下越南支部/三条支部/青年部会/ソーシャルビジネス部会
◇新入会員紹介
◇私とお話しませんか?会員交流の館 vol.19
◇ANOTHER REPORT
例会や行事の報告など、
情報共有の場としてフリーテーマで同友会の情報を発信します。
『企業変革支援プログラム Ver.2』を活用しよう!
- PEOPLE LIFE data
- 委員会・部会活動
- 新入会員紹介
- 会員交流の館
- ANOTHER REPORT
私の夢と女将の道/真理香氏
当時、基幹病院に勤めていた私は、知人の紹介から主人とお付き合いし、デート感覚で夜のなにわ茶屋の仕事を手伝っていました。「すべての人に幸せになってほしい」というソーシャルワーカーとしての夢を追っていましたが、私自身のやりたいこと、追い続ける夢から遠ざかると感じていました。結婚を機に退職し、なにわ茶屋へ入社したのが2017年4月のことです。現在は、女将として主人と役割を分担し経営に関わっています。
なにわ茶屋/直人氏
なにわ茶屋は私の祖父が飲食店として1971年に創業しました。祖父は元々大阪由来の家系で、和菓子木型を作る“おおさかや”という(屋号で)店を営んでおりました。東京へ出稼ぎに出ていた父を呼び戻し、大衆割烹として飲食の道を選んだそうです。
私自身は中学の頃から家業を継ごうと考えていましたが、専門学校在学中に父の悪性腫瘍が見つかり、その後他界。実務経験のない私が現場に立つことになりました。経緯を知った地元旅館の板長が私の師匠となり、31歳まで技術を習いました。今となっては本当に感謝しています。ちょうど妻と知り合った頃、現在の店舗に移転をし、今に至ります。
日本一の女将と諦めていた夢/真理香氏
入社当時はソーシャルワーカーの夢を諦め、「日本一の女将になる」という想いで様々な資格を取ってきました。しかし、女将としてお客様と関わり続ける中で、ソーシャルワーカーの視点で視えることが多くあり、今の自分にしかできないワーカーとしての役割があるように感じました。そして、主人と共になにわ茶屋で歩み続けながら、女将×ワーカー、飲食×福祉というあり方に行きつき、取り組み始めています。
なにわ茶屋は、法事や顔合わせ、接待など、特別な時間を過ごしていただけるお食事と空間の他、手軽にお楽しみいただけるスープランチ事業をスタートしました。この事業は、障がいのある方の雇用創出を実現するために考えた事業です。店舗設計にもこだわり、入口のスロープや車いすの方が利用しやすいトイレ等、どんなお客様も利用できる作りになっています。
二人が想う将来/直人氏
私はとにかく料理をすることが好きで、出来るだけ長く、料理を続けていきたいです。また、スタートしたランチスープ事業をよりシステム的に生産できるようにしていくことで障がい者雇用を進めていきたいです。今後はふるさと納税の返礼品にしていただいたり、まだまだ道半ばですが、南魚沼の魅力を料理を通して発信し、沢山の仕事を障がいのある方たちと共に作っていきたいです。
二人が想う将来/真理香氏
主人の料理人としての技術と味を知っていただき、スープ事業と共に、「南魚沼の絶品」となる料理を提供していきたいと思っています。
また、私は「働くことが幸せでなければ、人生はハッピーじゃない」と考えています。障がいなどで生きづらさを感じている人が働くことを通して、明るい未来を描いてほしい。そのために、私たちにできることに取り組んでいきたいです。
なにわ茶屋
代表 : 奥野 直人 氏
女将 : 奥野 真理香 氏(柏崎支部)
事業内容 : 地元の食材を活かした和食中心の料理提供
他事業 : ソーシャルワーカー
住所 : 南魚沼市六日町92-6
TEL : 025-772-3787
創業 : 1971年
従業員数 : 2名
下越南支部の今年度のスローガンは「繋がろう、繋げよう未来のために!」です。当支部地域の阿賀野市、五泉市、阿賀町いずれも消滅可能性自治体に上げられており、地域及び中小企業のあり方、かかわり方など真摯に取り組んだ1年でした。
企業づくり委員会による支部会員の「経営指針成文化と実践の会」受講後の報告発表や新規起業会員の報告などを通し、自他共に振り返り、真剣に意見交換する例会を行いました。
地域づくり委員会による中小企業振興基本条例に関する例会では、企業経営者の他、市町議会議員・商工会議所・金融団及び行政の方との意見交換会や地域活性化に尽力している企業報告会などを開催しました。
同友会づくり委員会による会員内外企業への訪問やランチミーティングでのミニ報告会、会員家族を交えての例会など活発な交流と共に会員増強に取り組みました。
また、12月の望年例会には、“筋肉系僧侶”として全国区となった五泉市永谷寺住職 吉原東玄氏を講師にお招きし、有難いお説法は基より、この時代にいかにして檀家を増して来たのか、人として経営者として原点に返って心がリセットされるような、一年の締めくくりに相応しい例会となりました。
今年度の支部活動も終盤に差し掛かって来ましたが、スローガンの通り、下越南支部は地域企業のこれからのあり方を考え、繋がって行く活動ができたと思います。ご協力いただきました皆様に感謝申し上げます。
下越南支部 支部長 木村地与仁(木村建設㈱ 代表取締役) 記
櫻井支部長2年目の活動目標は、会員同士が親しくなり忌憚のない意見交換ができる“場”を作りたいという事でした。
5月例会は会社も社員も良くなる「確定拠出年金」の話で、その後に数社が実施に向けて取り組んでいます。
6月例会は早川滝徳氏から「同族経営と継承」について。
7月は燕支部と合同で「つばめいと」で地域の活性化を図っている山後春信氏の報告。両支部の会員に加えてゲストも多数、各支部からも多数参加していただき、会場のキャパシティを超えての大賑わいでした。
8月はキャンプ場でのバーベキュー。台風で開催が心配されましたが奇跡的に晴れて、大変楽しい懇親の場になりました。
9月は指針の会を受講した山崎晃史氏の報告。「おもしろお菓子く、未来を描こう!」と称して日本菓子や会社づくりの実践の話。
10月は新潟支部の井田俊介氏からスーツを中心とした着こなしの講座。これによって11月の中小企業経営フォーラムは身だしなみが良くなったとか?
12月は望年会に19名が参加。これも会員の居場所づくり、親しみのある会づくりの成果だと考えます。
また、広報誌「同友にいがた」の4月号から12月号の9か月の間に、三条支部から4名が表紙を飾っています。圧倒的な露出度で、三条支部の活動の活発さが感じられる出来事だと考えます。
来年度も会のさらなる“親化”と各人の“進化”を目指して活動していく事でしょう。
三条支部支部長代行 豊島英夫(㈱東邦社 代表取締役) 記
青年部会内の社会性をテーマにした2チームが合同で対外事業を行うというミッションで、11月8日、15日、22日の3週に渡って同友会と包括的連携協定を結んでいる新潟青陵大学様にご協力いただき、短期大学部人間総合学科の授業に参加する形で「学生と企業の本音トーク」と題した交流事業を行いました。
第1講は学生から経営者へ「中小企業におけるDXの現状について」のヒアリング実習を行い、第2講では「DXでコミュニケーションの質は上がるか、下がるか?」というテーマのもとでワールドカフェ形式グループディスカッションを採用し(おそらく新潟同友会では初めての試み)、自分の意見だけではなく、テーブルで話し合われたみんなの意見を背負って次のテーブルに移るという「受粉」のように、共有と発表を繰り返す作業を学生と行いました。
第3講ではまとめと発表を行い、非常に刺激的で楽しい時間を学生と共有することができました。今回の事業は中小企業経営者と県内学生が継続的に交流できるきっかけを作りたいという想いがありました。この経験を活かし来年度の青年部会でも引き続きバトンを受け継いでいただけることを願っております。
今回の交流事業開催にあたり、ご尽力いただきました新潟青陵大学短期大学部人間総合学科教授 斎藤智様、共育求人委員会 佐藤潤一委員長、ファシリテーターを務めていただいた佐藤貴子さん、またワールドカフェ形式をご教授いただいた群馬同友会 高屋敷青年部会長にこの場をお借りして心より御礼申し上げます。
青年部会 協奏就活チーム 本間 敦(㈱共律 代表取締役 新潟支部) 記
ソーシャルビジネス部会は11月20日に開催された中小企業経営フォーラム2024inにいがたにて、第2分科会を担当しました。
テーマにNDGsのカテゴリーから「住みよい地域を作る」を掲げ、西田悠一郎さん(㈱野遊びヘルスケア 代表取締役 会員外)より、「『人とつながり、まちを元気にする』コミュニティナースの取り組み」のタイトルでご報告いただきました。
分科会のテーマもさることながら、フォーラム全体のテーマでもあった『覚悟はできたか』に関しても、西田さんが公務員という安定した職を捨ててまで取り組んだことからもその覚悟が伺えましたし、『コミュニティナース』の事業自体の魅力や、覚悟の裏付けともなる社会的な意義、その取り組みを実装させたキャンプ場の運営が地域にもたらす効果など、本当に学びの多い報告となったと思います。
昨年度から、名称を「ソーシャルビジネス部会」と変更し、様々な社会課題を中小企業家が取り組み、中小企業の社会的責任をビジネスの力で解決していく部会にしていきます。興味のある方、学び合いたい方、ぜひソーシャルビジネス部会にご参加ください。
ソーシャルビジネス部会 部会長 小林俊介(㈱With You 代表取締役社長 柏崎支部) 記
佐藤:交流の館と聞いて、同じ青年部会で活動している本間さんのお話を改めて聞いてみたいと思い来ました。本間さんは今年度で青年部会をご卒業ですよね?(※青年部会は45歳までの会員が対象)入会してどれぐらいですか?
本間:この3月で卒業ですね。入会は2022年7月です。紹介してくれたのは、同じ船に関わるエフテクニクス㈱の藤島さん(新潟支部イースト地区)です。藤島さんが代表に就任にされたばかりの時にお会いしたんですが、そこから2、3年経ってまた会うと、すごく雰囲気が変わっていたんです。自信が顔に現れている感じで、その時に業界のこれからの事を熱く語りあいました。同友会のことや経営指針の話もその頃知りました。私は来年で社長に就任して10年に、会社は45周年になります。その節目に、会社や自身の想いを成文化したいと感じて、現在「第8期経営指針成文化と実践の会」を受講しています。社員も含めて、迷うことなく、目標に向かっていくために。自分の想い描いている会社の未来像を口にする勇気を持ち、胸を張って言えるようになるには、これだ!と思って。
佐藤:受講された方の話を聞いていると、受講される方は色んな目的があると思うんですけど、本間さんは、元々ある想いを言葉にする、論理立てて人に伝えるために受講しているのかなと感じました。
本間:経営指針をつくれば、社内外で発表しますよね。迷わずに、逃げずに向き合える。そういう想いが強いですね。ただ、想いを言葉に絞り出していく難しさが…(笑)。
佐藤:私は受講したことがないんですが、受けてみてどうですか?新たに気づいた事や見えてきた事はありますか?
本間:課題や自分自身をサポーターさんから客観的に見てもらって、「相手にはこういう風に伝わるんだ」という気づきや、言葉を文章にする難しさですね。たった一言これだけでそういう印象を与えてしまうのか!とか。
佐藤:会社の歴史を親戚や親と話したりして、より気づいた事や深まった事があると聞きます。それも指針を受けなければ、そういう話をすることもなかったかもしれないですよね。
本間:3人の創業メンバーで、亡くなった父以外の二人の自宅に行って、創業当初の想いを聞いて回ったんですよ。そしたら嬉しそうに話をしてくれて。話を聞いて、震えるものがありました。当初、経営理念は、ないって思っていたんですが、会社名の共律。「共に律する」。会社名が理念だって気づかされました。今はそれを知った上で悩み進めています(笑)。45周年に合わせ、経営指針の発表も兼ねて、創業メンバーの二人、お客様、社員はもちろん、できたら社員の家族も来てもらい、盛大な周年パーティーをしたいと思っています。
佐藤:すごい!素晴らしい節目の年になりそうですね!
本間:まだ受講中で、絶賛、悩み中なんですけどね(苦笑)。
【対談者】 すみれ建装(株)
営業部長 佐藤 貴子(新潟支部セントラル地区)
「企業変革支援プログラムVer.2」とは、自社分析を数値化し、長所と短所を可視化することができ、
更にその結果を全国の登録企業のデータを比較することができる機能です。
今号では具体的に「企業変革支援プログラムVer.2」の登録について、紹介します。
①会員専用サイト「e.doyu」へログインし、「企業変革支援プログラムVer.2」を開く
e.doyuへログイン後、左側のメニュー画面に表示されている「企業変革支援PG Ver.2」を選択し、「自社データの登録」をクリックする。(スマホ版にはこの表示がありませんので、スマホからの場合は【PC版を表示】をご選択し、左上のメニューボタンから選択してください。)
②自社の登録情報を確認し、現在の数字に修正する
現在の自社の社員数や創業年、経営指針(それに準じるもの)の有無、それを実践している年数を入力する。
入力後、ページ下部の「個別登録画面へ進む」をクリックする。
※「一括登録画面へ進む」でも登録が可能ですが、詳細が表示されないため、初めて登録される方は「個別登録画面へ進む」をクリックしてください。
③各種設問に回答する
6カテゴリー全26問の設問に、現在の自身・自社を振り返り、0~5の数字を入力する。考える中で気になっている点、課題等があれば、回答メモに記載をする。
すべての設問に回答後、「この内容で確認する」をクリックする。
確認画面が表示されるため、内容を確認し、「登録」をクリックする。
以上の登録を行うことで、「自社の過去のデータとの比較」「全国の登録企業との比較(業種や規模での絞り込みも可能)」「全国の平均数値」を見ることが可能です。
定期的にデータのセルフチェックを行うと「毎回微妙に結果が違う」となる方も多いそうです。それは、日々少しずつの状況の変化や、経営者自身の思考の変化など、様々な要因があることでしょう。それがどうしてなのか、何が変わったのか。自社・自身の定点観測の役割も含め、ぜひ企業変革支援プログラムをご活用ください。
「企業変革支援プログラムVer.2」をよりわかりやすく説明しているテキストもございますので、もっと深く活用したい方は、事務局までお問い合わせください!