新潟県中小企業家同友会
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2025年1月号

新潟県中小企業家同友会
広報誌 DO YOU KNOW?にいがた 1月号 Vol.441

2025年1月号

新潟県中小企業家同友会
広報誌 DO YOU KNOW?にいがた 1月号 Vol.441

■表紙
時代を超えて愛され続ける
「本物のデザイン」を追い求めて半世紀。
【株式会社新潟ヒロタカデザイン事務所 代表取締役社長】
𡈽田 隆太郎 氏 新潟支部セントラル地区

■Contents
◇PEOPLE LIFE data No.054
未来を創る! 新潟の企業家たち

建築を通してこれからの
新潟の未来を豊かにしていく。
𡈽田 隆太郎さん 株式会社新潟ヒロタカデザイン事務所 代表取締役社長

◇支部・委員会・部会活動報告
それぞれのテーマを専門的に学び、問題を解決!

燕支部/上越支部/政策委員会/食部会

◇謹賀新年
一般社団法人新潟県中小企業家同友会 代表理事より新年のご挨拶

◇私とお話しませんか?会員交流の館 vol.18

◇ANOTHER REPORT
例会や行事の報告など、
情報共有の場としてフリーテーマで同友会の情報を発信します。

(一社)新潟県中小企業家同友会
中小企業経営フォーラム2024inにいがた 活動報告

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  • PEOPLE LIFE data
  • 委員会・部会活動
  • 謹賀新年
  • 会員交流の館
  • ANOTHER REPORT

 

会社の成り立ち

創業者である私の父はもともと三条で江戸時代から続く業務用酒店を営んでいて、飲食店にお酒を卸していました。父は自身が中学生の頃に親の財布からお金をくすねて一人で東京までシャンソンショーを観に行くほど好奇心が旺盛で流行に敏感。建築・美術・芸術などさまざまな分野に関心が高かった父は小さな私を連れて、よく銀座の画廊や美術館をハシゴするなど多くの「本物」に接する機会をつくってくれました。今思えば、そうした経験により自然と良いものを見る目が養われ、今の私の原点が築かれたような気がします。
父はいち酒屋でありながら得意先のお店のオーナーに商品の提案だけでなく、お店づくりのアドバイスまでも行うようになっていました。建築やデザインに明るかった父のもとにはいつしか店舗づくりの相談がくるようになりました。それならばと請け負った飲食店やアパレルショップなどの建築デザインがあまりに斬新でお洒落だったことが評判を呼び、次第に界隈では有名になっていました。これが昭和43年に創業した当社のはじまりです。
その後、父から現会長の大竹が事業承継し、11年前、私が35歳の時に三代目のバトンを引き継いで今に至ります。創業に際して付けた社名のヒロタカは人名でなく、「ヒロい視野にタカい視座」からきていて、それは父が最も大切にしていた価値観を表しているように思います。

 

 

事業について

創業時から商業施設や医療施設の建築設計・施工を主軸として展開してきた当社ですが、私が入社した頃はまだイケイケドンドンな時代で、ありがたいことに新しい店舗や医院のご依頼がひっきりなしでした。
しかし2019年、未曽有の事態となったコロナ禍は当社にとっても例にもれず大きな転換期となりました。新しい店舗のご依頼どころか、逆に店を閉じるから解体して欲しいといういわばマイナスなご依頼が増え続けました。それまで売上の多くを占めていた商業施設に頼っていては立ち行かなくなると思い、ほそぼそとやっていた住宅事業をしっかりとした柱に育て上げる必要がありました。
高耐久で省エネ、長きにわたり快適性が保たれ、年月や流行にも朽ちないデザインによる資産価値の高い100年住宅をつくること。それを子や孫世代に引き継いでいってもらうことで、豊かさとゆとりある地域の未来をつくること。そのために当社がつくる住宅性能がきちんと伝わるパンフレットやホームページを作成し、3年前にはじめてのモデルハウスを新潟市内に建てました。さらには、昨年2024年1月1日に起きた能登半島地震により新潟市での被害が大きかったこともあり、新たに「新潟耐震制震リフォームセンター」を立ち上げ、耐震性・制震性を強化するリフォーム事業もはじめました。
また、これまでの商業施設で培ってきたデザイン力を活かし、オフィス事業にも注力。最先端の働きやすいオフィス環境の在り方を学び、社員のコミュニケーションやエンゲージメントを高め、採用力向上にも寄与するオフィス空間づくりを提供すると同時に、フェイクグリーンの物販もスタートさせました。これらはすべて当社が掲げるミッションに通じる取り組みとして、100年後の新潟が豊かで活力あふれる街になることを目指し努めていきたいと考えています。

 

同友会について

同友会には青年会議所を卒業後、2019年に友人に誘われ入会しましたが、直後にコロナ禍によりリアルでの参加ができなくなり、それを機に積極的な活動ができていません。しかし、所属していた盛和塾と似ていて、実際の経営体験の報告から参加者同士で学びを深め合うことができる貴重な場として、他の異業種団体にはない大変素晴らしい会だと思っています。

 

株式会社新潟ヒロタカデザイン事務所
代表取締役社長 : 𡈽田 隆太郎 氏(新潟支部セントラル地区)
事業内容 : 商業施設・医療施設・オフィス・住宅の設計、施工、監理・フェイクグリーンの販売等
住所 : 新潟市中央区堀之内南2-19-14
TEL : 025-243-2828
創業 : 1968年
従業員数 : 10名

燕支部では、支部会員の報告はもちろんのこと、市議会議員の方との意見交換会や外部講師の方を招いて、経営者として必要な知識を学べる例会を意識し実施しています。
NDGsのミッションを元に支部内4つのチームに分け、リーダーを筆頭に主体的な例会設営を実践しています。
例会以外にも《なじら会》という月一ランチミーティングも行い、今後の活動方針の認知や意見交換、近況報告を行うことで信頼関係を築き、経営者としてお互いを高め合っています。
10月は燕支部㈲MRオート 前山 渉氏より『理念を軸にしたブレない自分の歩み』と題し報告例会を行いました。彼が入会したてで経営指針を作成した時、20分程度のプチ報告会をしたのですが、それから数年後、当時はまだ高い目標だらけの経営指針から一歩ずつ進んできたリアルな歩みがとても学びになりました。彼の経営理念である“最高の未来”に向けて成長していることを実感できる素晴らしい報告でした。
どの支部も共通しているとは思いますが、燕支部は悩みの大小関わらず、仲間の会社の課題や問題点を自分ごとの様に考え、手を差し伸べてくれる温かい支部です。他支部からのご参加もウェルカムですので支部会員一同お待ちしております!

燕支部副支部長 吉田 優(share salon LiB 代表) 記

 

上越支部では、6月のマゼランペンギンフェスタと10月の上越キッズアカデミーハロウィンプロジェクトのイベントに上越支部として参加しました。同友会上越支部のメンバーが設営に関わっていたことで、支部の中で有志を募り、参加することができました。それぞれ、多くの子供たちや地域の方が来場し、特にキッズアカデミーハロウィンプロジェクトでは、「地域の企業を知ってもらうこと」から始めることができました。地域と中小企業を繋ぐ機会を設けられたことは、「よい経営環境を目指す」ための大きな成果だったと考えています。
上越支部の2024年度の方針は「みんなで学び楽しく成長!結果を出す!商売繁盛!」と「トリプルLOVE 郷土愛♡会社愛♡家族愛♡」です。報告者の実践報告とグループ討論から学ぶ従来の支部例会・特定の報告者は立てず、大枠のテーマから各社の悩みや相談に踏み込み語り合うWAIGAYA例会と共に、よい会社・よい経営者・よい経営環境を目指し、2024年度のラストスパートへ盛り上がっていきましょう!

上越支部長 鷲澤雅皇(上越トーヨー住器㈱ 代表取締役) 記

 

政策委員会では6月に実施した景況調査の結果を行政、議員の方々へ配布し新潟同友会会員の経営課題、同友会での学びが経営に活かされている事を定期的に発信し新潟同友会として「中小企業と地域が共に輝く社会の実現」に向けた取り組みを行っています。今期中に新たな取り組みとして経営環境の課題、自社地域の課題等をアンケート方式で抽出し行政、議会と意見交換を行い課題の共有、解決に向けた継続的な会議体を模索しています。一方通行な提案ではなく継続的に審議を行い課題解決に向けて必要とされる新潟同友会を目指した意見交換を中心に行っています。
すでに来期に向けた計画も話し合われており、来期は同友会の基本理念「自主・民主・連帯」の深い意味を知り自社経営に活かす、地域課題の解決に活かす委員会活動を実践していきたいと考えています。仕入単価や人件費の上昇、少子高齢化、若者の県外流出、地方の衰退等様々な課題があります。行政、教育、他団体と連携し課題解決に取り組んでいく事が必要と考えています。
大勢の皆さんから政策委員会に関わっていただき課題解決に取り組んでいきたいと思います。来期大勢の皆さんが政策委員会の活動に参加していただけることを期待しています。

政策委員長 宮崎伸洋(㈱給材 代表取締役) 記

 

食部会は6月に新潟県立大学 人間生活学部子ども学科教授の小池由佳先生にご報告いただきました。「あなたの会社の課題は何ですか?」今頭に浮かんだ課題に、地域の課題は含まれていますか?我々中小企業が生きていく地域の子供たちが、大きな問題を抱えている。それに気づき、同じことでなくとも、自社の社会的責任は何かを考える例会になりました。
また、7月には燕市飛燕夏祭りに、食部会有志でブースを出店。ここだけでしか提供しないコラボ商品も販売しました。地域のお祭りで新潟のおいしい食材の魅力を知ってもらうことは、新潟の活性化に繋がっていきます。
私達は食べ物を扱う企業の集まる食部会です。新潟の食は、他県には絶対負けないパワーがあります。この魅力で、新潟を元気にしていくことが、我々にできることの一つです。
連携と実践を通じ、元気な新潟であり続けられるよう、輪を広げていきたいと思います。

食部会長 鶴田雄介(新潟肉と海鮮・50種の地酒つるまる 代表) 記

Q.飲食店は、コロナ流行時に多くのお店が大打撃を受けた印象を持っています。コロナ禍明けではありますが、なぜこのタイミングでの新店舗出店なのですか?

宮崎:私の場合は、同じ場所で営業していた居酒屋が古町で一番最初に好きになった店で、いつも足を運んでいたのですが、残念なことに倒産閉店することになってしまって寂しい思いをしていました。その後、たまたま破産管財人から「お店を買い取らないか?」という話を頂きました。元々、いつか居酒屋(大衆食酒場)を経営したいと思っていたので、これも何かの縁だなぁ~ってことで前向きに話を進めることにしました。ただ、居酒屋は初の出店なので、実は鶴ちゃんにも「どう思う?」って相談に乗ってもらったりしたんですよ。

鶴田:僕の場合は、コロナ禍明けたばっかりだし…と、消極的に考えるより、あのコロナ禍でも乗り越えられたという自信が生まれてたので、逆に今がチャンスかな?と思って出店を決めました。新潟駅前、糸魚川にお店はあるものの、次の一手を打ちたいなと、おぼろげに考えていたところに宮崎さんから5月頃に新店舗の相談を受けて、そのキラキラした眼や宮崎さんのチャレンジングな姿勢に逆に火を付けられたって感じですね。俺もくすぶってたらいけないなぁってことで、気持ちが沸騰してここまで進めたって感じですね。

宮崎:この店(けやき通り店)を決めるの早かったよねぇ。

鶴田:宮崎さんの相談が僕にとっては煽られているように感じて…。

Q.それでもコロナ禍の後なので、あの苦しかった時の事が頭によぎったりしなかったですか?

鶴田:カッコつける訳じゃないけど、新潟県を盛り上げるのは「食」だと思ってるんです。新潟に来てもう20年くらい住んでますけど、新潟にはそれだけの武器があるし、南と北でも全然食文化が違うし、醸造もあるじゃないですか?唯一北海道に対抗できる地方都市だと思うんです。

宮崎:北海道から来たお客様は新潟の食のレベルの高さにびっくりしてるよ。だからもっと自信を持っていいんですよ。みんなで盛り上げようよ。

Q.今、しきりに人材不足が言われてますが、その辺で困ってることはないですか?

宮崎:私は本業というか、元々が食材屋なので、その繋がりでこんな人いない?と聞けるんだよね。そこは他よりメリットを感じるかな?ありがたいことに店舗でバイト募集の貼り紙貼ってても、飛び込みで来るからね。

鶴田:ウチはバイトもそうだけど料理人をいちから育てているので、しっかりと成長させて家族のような関係を作っていますね。だから友達を呼んでくれたり、広告を出さなくても人手は今のところ困ってないですね。バイトの場合は「あの店はいいよ」って噂が広がればみんな声をかけてくれるし、うちは賄いの量が多くて(笑)、学生はお金ももらえてご飯もたくさん食べられて一石二鳥なんですよ。

宮崎:賄いは大事だよなぁ。

Q.お二人とも今後の展開はどう考えていますか?

宮崎:やっぱり同友会で食部会をやっていることもあって、料理人も含めて「スタッフの交流」を深めたいね。個ではなく、線でつながる関係性がイイよね。例えば、お客様がいっぱいで入れない時は、同友会メンバーの知ってる店を案内するとか、バイト不足の曜日に仲間の店に手配するとか、互いの店に食べに行くとか、意外と料理人って他店に行かないからね。他所を見る事って勉強になると思うんだよね。

鶴田:そうですね。店内だけの狭い考えよりは人気のある店や自分たちがどうなのかって俯瞰で見るのって大切ですよね。

宮崎:それとやっぱり予約の取れない店って魅力だよね。そんな店にしたい。平日でも予約がないと入れないっていう店を目指したいよね。

鶴田:僕はけやき通りで一番のお店にしたいですね。同じく予約の取れないお店。新潟駅南口と言えば?と聞かれて「つるまる」って言ってもらえるような店にしたいです。

Q.予約の取れないお店ってそれぞれ売り出したいメニューがあると思うんですが…。

鶴田:ウチはカニ。カニの甲羅焼きは新メニューで人気が出てきました。それとおむすびは駅前の店も大人気ですね。

宮崎:ウチは鯨。クジラの刺身、それとユッケ。高たんぱく、低カロリーで体にいい。日本には高い捕鯨技術があるので、世界情勢の影響を受けてしまう輸入に頼らずに提供ができる食材なので、最近ではそれ目当てで来たお客様も増えてきましたね。

Q.店の宣伝になるので人気メニューの話は書かないかも知れませんが…。

鶴田:お~い!書かないんかい!!

宮崎:結局はさ(笑)、やっぱりみんなでの新潟の食文化を盛り上げていきたいよね

【インタビュアー】(株)クワサンプラス
代表取締役 桑原 幸夫(新潟支部ウエスト地区)

 

 

2024年11月20日(水)に開催された中小企業経営フォーラム2024inにいがたには200名以上が参加いただきました。
設営に当たった実行委員会から、実行委員長、基調講演リーダー、第2分科会座長の3名の感想を掲載いたします。

実行委員長
㈱Creative.LAB 代表取締役 中村 修吾 氏(新潟支部セントラル地区)

実行委員長を拝命し、今までに無い経営フォーラムにしたいと考え、新潟支部担当開催としながらも、同友会全体で関わって貰えるように各支部・委員会に担当をお願いさせていただきました。それぞれ担当組織から主体的に考え、携わっていただくことができたのではないかと思います。実行委員会の規模が大きくなることで、準備をしながら組織経営を学ぶ事ができました。
また、テーマを「ARE YOU READY~覚悟はできたか?~」とし、言葉を掲げて進める事で会社経営する上での理念の重要性を改めて学ぶ事ができました。そして、一番は多くの方と出会い、意見を交わし、悩み考え、成功できた事が私にとって大きな学びになりました。

基調講演チーム リーダー
ミノル製作所㈱ 代表取締役 本多 貴之 氏(燕支部)

「中小企業経営フォーラム2024inにいがた」の基調講演リーダーを仰せつかりました、燕支部の本多貴之と申します。
今回の講演は皆さまいかがでしたでしょうか?中村実行委員長の掲げた「ARE YOU READY~覚悟はできたか?~」にふさわしい講演会に仕上がったと思います。実際、準備は大変でしたし、当日も失敗は出来ないと基調講演チームが一致団結して上手くまとめ上げたと思います。リーダーとはチームの意見を聞きながら、イメージを膨らませ最終的にこういう風に行こうと決断をする場面を仕事以外で味わえた事は、とても貴重な経験となりましたし、すごく実りのある基調講演リーダーとしての役目でした。また機会があればぜひとも挑戦したいですし、もっと違う形でも試してみたいとこの先の同友会活動も率先して出来る限り参加していこうと思っております。最後に佐藤潤一さん、佐藤貴子さん率いる新潟支部セントラル地区チーム、講師のアテンドを快く引き受けてくれた燕支部チーム、司会や会場誘導をスムーズに行ってくれた三条支部チーム、西村さん率いる事務局チーム、本当に皆さんの結集した良い基調講演になったと思います。山井さんのお話は、各自が感じるところ、覚悟するところは違うと思いますので内容については私の方からは言いませんが、私にとっても今後も覚悟しながらいばらの道を進んでいこうと決意した良い講演会でした。

第2分科会座長
なにわ茶屋 女将 奥野 真理香 氏(柏崎支部)

㈱野遊びヘルスケア 代表 西田 悠一郎氏より、企業が地域課題の解決に貢献する社会的価値についてご報告いただきました。高齢化の顕著な地域において、「コミュニティナース」という看護の視点を取り入れ、キャンプ場での繋がりを通して、高齢者が主体的に活躍できる場を提供されており、高齢者が支援される側の存在ではなく、地域を活性化させる重要な一員となっています。
企業にとって、新しい地域貢献のカタチとは、社会や地域がより豊かになるような「価値を創造する」ことであると学びました。しかし、これを実行する為には、経営者自身も、幸せや豊かさについて再考し、既存の価値観をバージョンアップさせていくことが必要であると感じました。座長として貴重な経験と学びを頂きましたので、自身の実践に活かしていきます。

     

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また、会員企業の社員の方や会員でない方も参加できる行事があります。

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